今年の10月31日には、アニメーション作品を彩った楽曲ほかを集めたCD「聖闘士星矢SONG BEST」が発売されるなど、その人気は衰えることを知らない。
「聖闘士星矢」主題歌を熱唱するNoB
そのバンドの元フロントマンであり、解散後はロックヴォーカリスト、アニソン歌手、戦隊もの歌手としてボーダレスに活動中のNoBに単独インタビュー。来年でデビュー30周年を向かえる彼が、第1期のオープニングを飾った「ペガサス幻想-PEGASUS FANTASY-」に命を救われた、まさにファンタジックなエピソードを語ってくれた。
声優やアイドル、アーティストらがアニメに楽曲を提供する流れは珍しくない昨今。しかし「聖闘士星矢」が放送されていた80年代当時、アニメはアニメ主題歌専属歌手が手掛けるという認識があった。そもそもアニメ自体、子供が鑑賞するものであり、それを好む大人は“マニア”“オタク”とのレッテルを貼られた氷河期である。そんな時代にジャパン・メタルの一翼を担ったバンドMAKE‐UPが主題歌を担当するというのは、驚くべきことだった。「ロックバンドが主題曲をやるという前例もなければ、そんな概念もなかった時代でした。カッコよく言えば、パイオニアだったのかもしれません」とNoBは当事者として証言する。 アニメが現在ほど市民権を得ていなかった。戸惑いがなかったといえば嘘になる。
NoBはこれまでの活動の中で、大きな挫折を1度だけ味わったことがあるという。それはMAKE‐UP解散直後のこと。「仕事がなくなり、カップラーメンを1個買うのにも困った時期がありました」。そんなNoBに手を差し伸べ、現在へとつながる道を示したのが、ほかでもない「ペガサス幻想」だった。「これはやばいぞと思って、預金を確認するために銀行に行ったんです。
「(アニソン歌手として有名な)影山ヒロノブさんに誘われて行ったブラジルのイベントでは、あまりの熱狂振りに腰を抜かしました。日本の裏側にある国で、ここまで日本製のアニメが浸透しているとは。人生観も変わりました。まさにブラジルは僕の小宇宙(コスモ)ですよ」と振り返る。ちなみに「ブラジルだけでも10回は行っています。ほかはアルゼンチン、チリ、ペルー、フランス、スペイン。ラテン系の国に凄くウケているようで、サイン会を開くと何千人と来てくれる」と、日本をはるかに超える熱狂ぶりを物語る。特にブラジルは「聖闘士星矢」以前・以降という線引きがなされるほどのカルチャーアイコンとなっているらしい。
ちなみにNoBは、ヴォーカルレッスン講師という顔も持っている。日本人で一番「ペガサス幻想」を歌い、特別な曲と公言するそんな彼に歌い方のポイントを聞いた。「まずは、演奏部分のみをお店側に怒られない程度の大音量にしてください。そして、その音量をカバーするくらいの大声を出して、イントロ部分できちんと『聖闘士星矢!』と叫んでください。腹式呼吸を意識して、かつ恥を捨てて聖矢に成り切るのがコツ」とのこと。NoBにとって聖衣(クロス)の中でも神聖衣(ゴッドクロス)という、ロックグローブがあれば尚良しだ。
インタビューが行われたこの日、楽天株式会社内にある楽天大学の講堂でファンを前に「ペガサス幻想」「Never 聖闘士星矢のテーマ」「永遠ブルー BLUE FOREVER」を熱唱したNoB。
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