今年ブレイクした芸能人は誰だろうか。そう考えたときに思い浮かぶ人物が2人いる。
ワイルドだろぉ」が今年の流行語大賞に選ばれたピン芸人のスギちゃんと「美しすぎる31歳」としてテレビ、イベントに引っ張りだこのグラビアアイドル壇蜜だ。

撮りおろし「壇蜜」セクシーフォトギャラリー

 注目されたのはその美しさだけではなく、今年の11月に公開された初主演映画「私の奴隷になりなさい」の舞台挨拶では客席に脱ぎたてパンティを投げたり、赤フン姿で神輿に乗ったり、放送禁止ギリギリのシモネタ発言を涼しい顔で言い放ったり、エロを通り越して笑いに転化させるその妙技にある。12月3日に誕生日を向かえ、「美しすぎる32歳」として新たな出発への舵を切った壇に話を聞くことができた。この単独インタビューの中で、ブレイクにたどりつくまでの知られざる苦労と、幼少期の悲しい体験を明かしてくれた。

 今年の女性ブレイク第1位といっても過言でない壇だが、自身はどれほどそのブレイクを実感しているのだろうか?開口一番「3Pほど忙しくはないですよ。聞こえました?3Pほど、フフフ」とエロスジャブを繰り出すが「テレビや雑誌で取り上げられるようになって次の仕事にも順調に繋がっているという意味では、採算の取れるサイクルの仕組みがわかってきたといえますね」と今年1年を振り返る。だが「自分の素のパーソナリティでそれがまかなえているのは、タイミングと運でしかないと思っています。本当にラッキーなことだし、ちょっとでも時代との波長がずれていたら、メディアに取り上げられてはいないはず」とブレイクに浮かれる様子は露ほどもない。それは冬の時代といわれるグラビアアイドル界の危機を肌で感じているからだ。

 「AV女優の方や若年アイドルの方々がどんどん美しくなり、世間に羽ばたいていく昨今。グラビアアイドルの居場所は本当になくなりつつあります。切羽詰っているグラドルも多いし、脱いだ先にあるものが見えないのが現状なんです」と思いを代弁する。
壇自身「女性はリスキー、というのを体現しているつもりです。女性は裸や水着になればお金はもらえますが、それは一瞬のこと。女性は花だけれど、散ったら終わり。だから私も先のことを見据えてやらなければ見失うという思いで日々過ごしています」と心境を吐露する。このネガティブな発言と、メディアで見せる挑発的な壇の姿は結びつかない。それではなぜ、常日頃全力で勝負するのだろうか?ベースには「皆さんに損をさせたくない」という旺盛なサービス精神と、苦渋を飲まされた売れない時代に対して「証明したい」という強いハングリー精神があった。 グラドルとしては遅咲きだった壇。ブレイク前は、年齢的な問題を持ち出されて雑誌掲載を断られるのは日常茶飯事だったという。「前も後ろもTバックで攻めたって、物理的にどうしようもないことを言われたら手も足も出ない。封建的なことを振りかざして私を突っぱねた人に、一矢を報いる気持ちがあります。どうにもならないことで人を突っぱねることが、どれだけ人を傷つけるかを知ってもらいたいんです」。だから日々体当たりなのだという。
「一矢を報いる気持ち」、それは幼少期に壇を襲った悲しい経験にも繋がりそうだ。

 壇がかもし出すエロスには不思議と下品さを感じないが、同時に何かしらの影を感じさせる瞬間がある。どんな幼少期を過ごしたのかを聞くと「小学生時代はおかっぱ頭のダサい髪型をしていて、勉強のやり方も、先生や周囲が言っていることもまったくわからなかった」と話す。当然「友人はゼロ」で「コートには必ず誰かの足跡がついていました。それを伝えると大人は気にするなと言うだけ。でも足跡は毎回ついているわけで、子供心は傷ついてばかり。学校には行きたくない気持ちでしたね」と振り返る。そんな寂しい過去を跳ね除け、男性の目を釘付けにするセックスシンボルへとのぼりつめた壇。その姿は、同じ境遇にある少女たちの大きな希望となりそうだ。

 そんな壇が「ブレイクのきっかけ」と自らの原点に添えるのが、BSジャパンで放送中の「ギルガメッシュLIGHT」(毎週金曜日23時放送)。グラビア集団G9(仮)の一員として出演中だが、コメントが過激すぎて「一番口数が少ないですけどね」と笑う。12月中の放送は目玉企画も目白押しだそうで「私たちの慰安旅行など、楽しんでもらえるコーナーが盛りだくさん。
年末なので忘年会的気分で見ていただいて、面白い番組だったなと1年を振り返ってもらえれば嬉しい」と期待を込める。また自身の今後については「30分間ひたすら喘ぐだけのラジオ番組を持ちたいですね。バナナをひたすら叱りつけるのもいいかも」と、期待以上の返答で飽きさせることがない。

 「目の前の仕事に全力でぶつかっていって、評価、採算、次の仕事、の繰り返しです。私の首輪の鎖を色々な人に握ってもらって、全裸で引っ張られながら、臨機応変に反応していければ」と妖艶な笑みを浮かべる壇。写真撮影では、こちらの注文なしに積極的に床に寝そべったり、セクシーなポーズを取材時間ギリギリまで披露してくれた。プロフェッショナルな姿勢を貫いた結果が、今に繋がっている。壇にとって今年の大ブレイクは一過性のものではなく、長い道のりが待つスタートラインなのだろう。今後の変化が楽しみな人物だ。
編集部おすすめ