「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の人気漫画「コード:ブレイカー」。上条明峰原作の本作は、“異能”と呼ばれる特殊能力により“悪”を滅する者“コード:ブレイカー達”の戦いを描くバトルアクションである。
今作の主人公・大神零の声を担当するのは、現在若手男性声優として抜群の人気を誇る岡本信彦。すでに21巻以上発行されていた本作の主人公を演じるプレッシャーや、自身の声優という仕事にへ取り組み方について話しを聞いた。

岡本信彦、日笠陽子、鈴村健一の人気声優三人が集結!「コード:ブレイカー」完成披露試写会は爆笑の脱線トーク連発

 「プレッシャーは感じていましたね」と語る岡本。「上条先生や監督、そしてスタッフの熱い思いに応えなきゃという不安からのプレッシャーを感じていました」と吐露する。

 岡本が本作で演じる大神零役は、外見は静かな印象を持つも、内には秘めた強さを持っているという難しいキャラクター。そんな難しいキャラクターの役作りについて尋ねると「無個性になろうと思いました」とコメントする。「仕事ととして、作り笑顔のまま学校生活を送ろうとするキャラクターなので、自然に作り笑顔をしつつ、でも裏があるような雰囲気を残しつつという…。僕が演じる大神君は、無個性に学校生活を送ろうとしていたので、その辺は意識して演じましたね」とのこと。具体的な方法については「裏の顔になったときは、あまり感情を出さないことを意識していました。抑揚をつけずに、ボソボソっと単刀直入に話す感じで」と語る。

 本作での印象的なセリフについては「“悪には悪を”ですね」と即答。原作同様、アニメでも主人公・大神が何度も口にする言葉である。
「あるエピソードでは1話だけで、4回くらい言っている回もありましたね。法で裁けない悪に対峙するたびに口にしていたこともあったので、印象に強く残りました」と振り返る。
 
 共演の鈴村健一(刻役)と日笠陽子(桜小路桜役)について「あの2人は“モンスター”と自分でも言っているくらい自他ともに認めるおしゃべりモンスターです(笑)」と口にする。特に日笠の場合「おしゃべりだけじゃなく、変わった間合いと言いますか…芸人さんみたいと言ったらそれも少し違いますが(笑)。明るいイメージはありますよね。話しやすい方です」と笑みを見せた。 人気声優である岡本は、本作の主人公・大神零役のほかに様々な役柄を同時期にアフレコを行っている。それぞれの役の“声”に混乱することはないのだろうか。

 「混乱はないですね。他の人のセリフを聞いた瞬間に戻ると言いますか、自分1人だけだったら変わってくるかもしれないですが、他の方がいて同じ空間で演じられるからこそ、すぐにそのキャラクターになれます」と述懐する。

 一番初めに、キャラクターに声をあてる時は、どのようなことをイメージするのだろうか。「声優になったばかりの頃は、イメージをあまりせず、“岡本信彦”としてお芝居に入るという感覚が強かったですね」と明かす。
「反応の一つ一つは、自分の中の引き出しと言いますか、普段、自分が熱いものを触ったときにどういうリアクションをするかなとか、そういうところから取り入れてましたね」という。「僕自身、あまりオーバー気味な芝居などはしないのですが、そこはあえてアニメならではといいますか、オーバーリアクションで演じたりもします」とのこと。だが「そればかりだと全部が“岡本信彦”になってしまうので、“キャラクター”を演じない場合は、想像力を使って、演じたりもします。とくにライトノベルなどは、文章のイメージからどういう発声にしようかなと、発声の仕方から変えたりもします」。
 
 また岡本は、アフレコ現場で自身の引き出しを増やしているとも明かす。「現場では先輩方の声を聞きます。そこにはたくさんのキャラクターの声があり、それを聞いているだけで知らず知らずのうちに吸収していることもあると思っています。すごくハジけてお芝居をされる先輩や、しっかりとした姿勢でお芝居をする方など、様々な人がいるのですが、僕の中では現場に(声優の)正解があると思うので、現場に行くことが幸せです」と告白する。
 
 最後に岡本が思う、声優の面白さを聞いた。

 「二次元のキャラクターの体は、何でもできるというか、無限の可能性を秘めていて『コード:ブレイカー』だったら、異能を使ってバトルをしますよね。それによってキャラクターたちのカッコ良さを見せることもできるし、キャラクターの人生を一緒に歩むこともできる。1作品を通して同じキャラクターを演じることで自分自身も成長することができるので、得した気分にもなります。
多くの人生を歩めますし、仕事も楽しいですから」と満面の笑みを浮かべる。岡本の今後にさらなる期待が高まる。(取材:文:鈴木沙織)
編集部おすすめ