人々の想像を超えた未来世界を描いた「フィフス・エレメント」から15年。自身のプロダクション「ヨーロッパ・コープ」を立ち上げ、「トランスポーター」「96時間」などの 製作者としてアクション表現に磨きをかけてきたリュック・ベッソン監督が、「フィフス・エレメント」以来のSFに挑戦した映画「ロックアウト」がついにDVD&Blu-rayとしてリリースされる。
そんな注目作でヒロイン=エミリー・ワーノックを演じたマギー・グレイスに、本作について、そして巨匠ベッソンについて話を聞いた。

リュック・ベッソンが放つSF大作!ノンストップアクション「ロックアウト」特集

 世界中でハマる人が続出した人気海外ドラマ「LOST」にシャノン役で出演し、ブレイクしたグレイス。その後、ベッソン監督とは「96時間」とその続編「96時間/リベンジ」でも組んでおり、今回が三度目のタッグとなる。「96時間」に続いて本作でも誘拐される役どころだが、出演を決めた経緯について、彼女はこう語る。

 「ガイ(・ピアース)が演じる主人公スノーと私が演じるエミリーの機知に富んだ会話のやりとりがとても好きだったことがひとつ。ヨーロッパ・コープとは『96時間』でも一緒に仕事をして楽しかったし、宇宙を舞台にした映画にはそれまで出演したことがなかったので、その点もとても魅力的だったわ」。

 後半では、銃を構えたり、凶悪犯罪者と対峙したりと、ただ逃げているだけではない“戦うヒロイン”を演じているグレイス。アクションを演じる上でトレーニングも過酷だっただろうが、本人は楽しかったとあっさり。「戦闘シーンのトレーニングはとても楽しかったわ。すごいスタッフが集結していたのよ。宇宙でのシーンはワイヤーを使っていたんだけど、サーカス団のようで愉快だった。ある朝、初めてワイヤーを使って空中に吊られてから、やっと『これは仕事なんだ』って理解したの(笑)」。


 三度目のタッグとなるリュック・ベッソンについては「とにかく親切な人」と大絶賛。「いつも私の人生で何が起こっているのかをきちんと覚えていてくれるのよ。それに私の家族の名前も逐一覚えていて、どうしているかと尋ねてくれるの。彼は、正直に自分のやることを愛していて、小さい頃から映画監督になるまで、面白いキャリアを持っている。それには自分自身も共感しているわ。映画製作は普通にできることではないし、人生において容易に選択できる訳でもない。だからそこには、意欲や感謝の念があると思う」。 「96時間」に続き誘拐される役どころが続いたが、これらの役を経験した上で、誘拐されないために必要なことは?との質問には「まずは自分をそんな問題のあるシチュエーションにおかないこと」と断言。「もし少しでも危険を感じたら、ショッピング・モールの警備員に駐車場までついてきてもらうように頼むこと。それに何より、外国に行って知らない男と一緒にタクシーに乗って、自分の滞在先に連れていかないこと。これは完全に『NO』よね(笑)」と、自身が「96時間」で演じたキムに対しやんわりダメ出しも。

 インタビュー敢行時はちょうど初めて挑戦したブロードウェイの仕事を終えたばかりだったというが、女優をやっていなかったらどんな職業についていたのだろうか。


 「実は短編小説を書くのが好きなの。今は小説も商業主義的になってしまっているけど、予想できないダイナミックな話を考えたりしている。旅行ライターになるのもいいなと思うわ。ナショナルジオグラフィックのライターをしている友人がいるんだけど、いつも彼女に『なんて素敵な仕事なの!』と言っているわ。最近のジャーナリズム状況を考えると、たぶん女優になるより難しいキャリアだと思うけど」。

 日本に来たことがないというグレイスは、日本のカルチャーに興味があるようで、「ついこの間、『歓待』という映画を見たんだけど、とても面白かった!それと、昔から楽焼が大好きでいくつか持っているのだけど、宝物のように大切にしているの。ぜひ工房を訪ねて、製作工程をみてみたいわ」と語ってくれた。

 「アクションが楽しく、コミカルで、あまりシリアスすぎなかった80年代へ逆戻りする感覚がある作品」とグレイスも太鼓判の映画「ロックアウト」は、3月8日(金)TSUTAYAだけでレンタル開始、4月6日(土)発売。(発売・レンタル販売元はカルチュア・パブリッシャーズ、セル販売元は松竹)
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