【関連】『ハル』について、“アニメーション”について熱く語る細谷佳正インタビューフォト
『ハル』は、『野ブタ。をプロデュース』『Q10』などを手掛ける木皿泉が脚本を担当し、『ストロボ・エッジ』『アオハライド』など年代問わず女性から絶大な支持を得る漫画家・咲坂伊緒がキャラクター原案を、『四畳半神話大系』『ギルティクラウン』で各話絵コンテ・演出を務め、圧倒的なクオリティの映像を作り上げた牧原亮太郎を監督に迎え、現在放送中の話題の人気アニメ『進撃の巨人』を手掛けるWIT STUDIOが制作を手掛けるという、錚々たる豪華制作陣が手掛ける劇場中編アニメーション。
ハル(人間)というより、ロボハル(ロボット)を演じるという意識のほうが強かったと明かす細谷。オーディションの設定では「アンドロイドで、ロボット療法で恋人を失ったくるみを癒していく」という役を演じた。
本作では、“号泣必死”というキャッチコピーにふさわしい真実が物語が進むつれ判明する。(ネタバレになってしまうので明かすことはできないが…)「少し怖い話だなと思いましたね。ウワっ!こうなるんだ…」とオーディションでは知らされることのなかったストーリー展開に驚いたと正直に話す。
キャストも驚く、ある真実が隠されていた本作。その真実は物語前半でも伏線として随所に散りばめられている。「1回じゃわからない! 何度も観てほしい」と語る細谷はその伏線に気づかなかったようで「騙された口です(笑)」とのこと。
牧原監督は『ハル』が監督デビュー作。
アフレコは「本当に大変だった」ようだ。「プレアフレコの時にはなかった絵も追加されたので…」と当時を振り返る。アンドロイドの“ロボハル”と人間の“ハル”、どちらも見た目に変化はない。「(ロボハルの時は)走ってても息を入れないとか、『えっ?』という言い方は、すごくはっきり『エッ』と言ってしまうとか、気付く人は気付くという、すごく細かいところの言い回しに気を使いましたね」と微妙なさじ加減が難しかったと告白。 本作は、人間とロボットのラブストーリーではあるが、決してありえない世界を描いたストーリーではない。
「僕は素敵だと思います。それだけ感性が鋭い方なのだと思うので」と笑みを浮かべる。「(アニメを)素直に観て頂けるのは、すごく嬉しいですし、そのように観てくれる方を尊敬します」とも。また、『ハル』という作品を“アニメーション”で表現したことについて「アニメには、色んな作品もあるし、様々な捉え方があると思うのですが、僕個人としては、アニメは表現方法の一つであると思っています。実写、CG、アニメ、舞台…アニメだからファンタジーであるとかそういうのではなく、きちんとした脚本があって、より多くの人に作品を受け入れてもらうには、アニメという表現が一番良いのではないかという判断で、『ハル』を“アニメ”で表現した。僕はそういう映画であると思っています」と自身の思いを素直に吐露する。
「本当にたくさんの愛が詰まった作品です。それはスタッフさんとキャストさんの“こう作りたい”とか“良いものにしたい”という愛情があるから。もちろんプレアフレコからミーティグを重ねた結果でもあり、作品の登場人物たちを大切に思っているからこそ関わり合いだったと思います。
劇場中編アニメーション『ハル』は6月8日より公開(上映時間60分、入場料金は1200円均一)