この夏に放送開始となったTVアニメの中で、ひと際異彩を放つ作品、それは『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』(以下、『ワタモテ』)である。タイトルからもその異彩を少なからず感じ取ることができる本作は、WEBマガジン「ガンガンONLINE」(スクウェア・エニックス刊)にて好評連載中の同名コミックのアニメ化。
高校に行けば自然とモテると思っていた主人公・黒木智子(通称もこっち)の日常を描いた、ちょっと切ない日常ライフコメディーである。

 今回、そんな主人公“もこっち”こと黒木智子を演じる橘田いずみに、インタビューすることができた。『ワタモテ』や自身のことについて赤裸々に語ってくれた。

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 橘田は本作を「涙×7と笑いの青春ストーリーです(笑)」と語る。もこっちは、高校に入学して2ヵ月経っても彼氏を作るどころか、クラスメイトともまともに会話ができない女子高生。極度の人見知りで他人とコミュニケーションをとるのが苦手なため、まずは家族以外の人間と会話をすることから始める…というキャラクターである。

 「そもそもこういうキャラクターはあまり存在していないですよね」と満面の笑みを浮かべた橘田。だが、橘田自身、もこっちは自分に似ていると明かす。「わりと私ももこっちのように暗い部分を、心の中に持っていたりもするので…」と驚きの発言をし「普段の行動も、ファンの方が知らない私と言いますか、親友といるときや、落ち着いた空間で心を許した人と接している時などは、すごく“もこっち”です。なので他の役を演じている時よりもスムーズに演じられている気がします」とのこと。

 さらに「ツイッターでは、よく毒を吐いていたりもするので(笑)。そういう内面の黒い部分も持っているし、ボソっと下ネタを言ったりもしますよ(笑)」と正直に話し、見た目とのギャップに驚いた。
またそのことを裏付けるかのように「親からは、『(もこっちは)そのままだね』って言われたり、逆にファンの方からは『橘田さんがもこっちをやるんですか? 真逆じゃないですか!? 』って言われたりもしました」。

 今回のキャラクターは、テンションの高い時と低い時、かなりの振り幅がある。演じることが大変なのではないか?と聞くと「すごく楽しいです!」と一言。「少しぶっ飛んでいるキャラクターを演じている時は本当にすごく楽しくて」と語り、ハイテンションなキャラクターを演じるほうが、“充実したアフレコができた”と思うそうだ。 本作では、エンディング主題歌『どう考えても私は悪くない』も歌っている橘田。「歌詞を見た時に『なんだこの歌は!?』って思いました(笑)」と当時を振り返る。「(歌を)聴いた方みんなに『大変そうな歌ですね』と言われるのですが、今までで一番歌いやすかったと言いますか、すんなり歌えた曲でした」と話す。「自分の地声って、もこっちのラインにあるんだなって気づきました」とコメント。またもや、さらっと驚愕の事実を語る橘田。どうやらエンディングの声は、もこっちの声というよりは自身の地声に近い声質で歌っているらしい。

 驚きの発言はさらに続く。「私、小さい頃に自分の声を聴いたら、すごく低くて…。
それがすごく嫌でトラウマになって、自分の地声を封印して生きてきたんです。今でも、プライベートでも地声ではなく裏声で話しているんです」と。ちなみに今もですか?と尋ねると「今もですね」とニッコリ。低いもこっちの声が地声で、このようにインタビューを受けている時の声が作られた声だったことが発覚した。

 本作は、橘田が歌うエンディング主題歌も魅力の一つだが、『ワタモテ』の始まりを告げるオープニング主題歌『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い』(歌:鈴木このみ n’ キバオブアキバ)の映像にも驚きを隠すことができない。橘田も「ヤバイ! サ●じゃないですけど、オープニングがカッコ良すぎて繰り返し見ちゃいました」と興奮の面持ちで話す。「歌カッコイイ! オープニングの気合い、パネェなと思いました」。加えて「カッコイイアニメがこれから始まるんだって思いきや…ある意味サ●ですよね(笑)」。このオープニング映像、一見すると突拍子もない曲や映像だが、必死で見えない敵と戦い続けるもこっちの姿は、作品のテーマにリンクしたメッセージともとれる。

 最後に、本作を見ているファンに向けて「話数を重ねるごとに、より可哀相な空間になっていき、それでも1人がんばっているもこっちですが、“もこっちがんばれ~。何年か後には明るい未来が待ってる! ”と思って私自身は演じています。なので、みなさんも“もこっち、きっともう少ししたら幸せになれるよ”と思って、温かく見守ってほしいと思います」とコメントした。


 『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』は、テレビ東京、テレビ愛知、テレビ大阪、熊本放送(8月4日から放送開始)、AT‐Xにて絶賛放送中。(取材・文:鈴木沙織)
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