【関連】新たなる三国志ドラマが日本上陸!『曹操』第1話無料&特別ダイジェスト編配信!
曹操といえば、おそらく「悪役」のイメージが強いだろう。中国の京劇に出てくる曹操は、顔を白く塗られ、いかにも悪そうに描かれてきた。また、「曹操の話をすれば曹操が現れる(うわさをすれば影)」など、マイナスイメージのある言葉にも登場している。
なぜだろうか…。今に伝えられる『三国志』の物語は、三国時代から約1000年後に書かれた「三国志演義」をもとにしているからだ。多くの人気を集めたのは劉備、関羽、張飛らが「善」のチームで、敵の曹操は“ヒール”役となってしまった。しかし、本当の素顔はどうだったのだろう?
曹操は宦官の家に育った。宮中の陰の実力者だった祖父の曹節は、跡継ぎとして曹操を養子に迎えた。そして、「いやしい家柄の男」と、曹操はいつも士人(官僚・地主・文人)にさげすまれていた。しかしそれが、政治家としてみるみる台頭する時の力になる。曹操は人材を選ぶ際、家柄にはこだわらず、才能ある者を好んで選んだという。
さらに曹操の文章はとても高く評価されていた。孫子の「兵法」をまとめ、詩を愛していた。戦いで忙しい中、文人を集めて文学をすすめた。自らも詩を作ることにのめりこんだと言われている。そんな曹操を慕う武将も多かった。若いころからそばで曹操を支えたいとこの夏侯惇、夏侯淵がよく知られている。「私の大業を成し遂げさせるのは、彼のほかにはいない」とほめた軍師・郭嘉や、ボディーガードとして曹操を守り抜いた許褚はとても魅力的なキャラクターだ。さらに敵になる劉備、関羽、袁紹も、かつては曹操と友達の間柄だった。
家族に対する優しい顔も知られている。
ドラマ『曹操』は、そんな知られざる一面にスポットをあてている。曹操をめぐるさまざまな人間関係、『三国志』でよく知られたエピソードを散りばめて、クライマックスの「官渡の戦い」へ舞台は移る。ていねいな人物の描き方や、スケールの大きな戦闘アクションで、ヒーロー・曹操をより深く、魅力的に描いた内容になっている。(文:阿部陽子)
ドラマ『曹操』は、セルブルーレイとレンタルDVDが9月4日から順次リリース開始される。