声優としてだけでなく、アーティストとしても活躍の場を広げる原田ひとみ。メディアファクトリーに移籍後、初の楽曲となる『Anicca(アニカ)』を11月6日にリリースする。
このたび、新曲発売を目前に控えた原田に単独インタビューを行った。

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 原田は、新海誠監督のムービーで注目を集めたPCゲーム『ef-a fairy tale of the two.』『eden』のテーマソングで注目を集め、2011年から音楽活動を本格化。『いつか天魔の黒ウサギ』『アルカナ・ファミリア』『閃乱カグラ』などのTVアニメタイアップを重ね、2012年には横浜アリーナで開催されたANIAMAX MUSIXに出場した。

 新曲『Anicca』を表す言葉を「情熱」と答えた原田。「でも、ストレートなものではなく、湧き上がるような情熱だと思います」とタイトルに込められた意味を明かす。

 本楽曲は、原田自身がヒロインを担当するTVアニメ『機巧少女は傷つかない』のオープニング主題歌にもなっており、作詞のLINDEN、作編曲のとくは、2009年と2010年にそれぞれ発表された原作ライトノベルのイメージソング『MACHINE DOLL』『Mobius』も手掛けた2人。今回、3度目のタッグとなる2人について原田は「新曲がTVアニメ『機巧少女』の主題歌になるということだったので、前曲を手掛けている2人にぜひお願いしたいと希望を出させてもらいました」と原田自身のリクエストだったという。

 「『機巧少女』の世界観を考えたときに、このお二人がパッと浮かびました。他の方ですと、新しい世界観になるかもしれませんが、イメージソングから培ってきた空気感そのままでTVアニメの楽曲もできたらなと思ったので」とオファーした理由を語り、出来上がった楽曲については「想像していた以上の曲でした! 嬉しかったです」と満足している様子。

 しかし、いざ歌うとなった時、本楽曲が持つ難しさに直面したようで、「曲自体が、とても疾走感がある分、音程の上下が激しい。テクニカルな部分がすごく必要な楽曲です。とはいえ、パワーを最初から出してもいい曲ではないので、繊細さにも取り組まないといけない」と話す。
 パワフルさと繊細さを併せ持つ本楽曲。ミュージックビデオ(以下、MV)も、とてもカッコイイ仕上がりとなっているのだが、“鞭”を手にする演出が特徴的だ。「撮影現場に行って、衣装を着て手渡されたのが“鞭”だったんです。あ、鞭使うんだ~っという感じでした」と苦笑い。MVで着用しているネックレスについても、「1つは自前です(笑)。スタイリストさんと話して、『これよりこっちの方が(衣装に)合うよね』と話しながら(コーディネートを)決めたりもする」と裏話を告白。

 そんな原田は主題歌を担当し、作品でヒロインも演じている。「『機巧少女』は、原作ライトノベルのイメージソングから歌わせてもらっているので、思い入れという意味ではすごく強かったし、3年前に初めてこの作品に携わったのですが、その時から考えると色々な思いがありますね。やっぱり演じるキャラクターと同じ心情で歌うということは、注ぐエネルギーも大きいです」と言及。「主題歌だけを歌わせて頂く作品も責任重大だと思うのですが、私自身が物語の中にはいないので、客観的に見ることができるんです。“きっとこの主人公はこういう性格の子だから、こういう心情で歌おう”ということはあるのですが(今回のように)ヒロインの気持ちがわかるというのは強いなと思います」。

 「ですが、それはどっちが良い悪いとかいう意味ではない」と続ける。
「客観的に見ても、この作品の顔(主題歌)を作るという意味では責任重大ですよね。内側(声優として)にも外側(アーティスト)にもいるので、歌うときはヒロインの心情を盛り込ませていただきました」と笑みを浮かべた。

 最後に楽曲を含め、本作をどのように感じてほしいか聞いてみた。

 「TVアニメの方は、夜々のアホの子さ加減(笑)。これは意識してやらせていただいたので、シリアスなシーンも多い本作には、夜々のアホさ加減が際立つのかなと思います。笑いあり、シリアスなシーンもあり、バトルシーンもカッコいいので相対的に楽しんでいただければと思っています。楽曲は、湧き上がる情念を感じてもらえたらと思います。聴き所としてはDメロにイメージソング第1弾『MACHINE DOLL』の歌詞のフレーズが入っているので、ご存知の方にはニヤっとしてもらいたいですし、今回の『Anicca』から聴いてくださった方には、『MACHINE DOLL』も聴いてもらえたら嬉しいなと思っています」と歌詞に込められた秘密を教えてくれた。

 『Anicca(アニカ)』は11月6日リリース。
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