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アメリカ文学界でひときわ異彩を放ったグループ“ビート・ジェネレーション(俗称:ビートニク)”。
1944年、名門コロンビア大学に合格したアレン・ギンズバーグ。だが、喜びも束の間、大学の正当過ぎる姿勢に不満を感じたアレンは、常識や道徳に囚われない友人ルシアン・カー、ウィリアム・S・バロウズ、ジャック・ケルアックらに引き寄せられていく。中でもルシアンに友情以上の愛を感じ始めたアレンは、その思いを詩作に投影していくが、彼にしつこく付きまとう同性愛者デヴィッド・カマラーの存在が激しい愛憎劇を生み、やがて取り返しのつかない殺人事件へと発展していく。
本作の見どころは、若きビートニク詩人たちが過激な青春時代を過ごすなかで、禁断の世界にのめり込んでいく姿をサスペンス仕立てでえぐり出している点である。中でも、のちに中心人物としてグループを牽引する同性愛者の詩人アレンと、彼の創作活動の原動力となった破滅型の青年ルシアンとの“禁断の愛”はゾクゾクするほど刺激的だ。
『ハリー・ポッター』のイメージ脱却を図るためアレン役に挑んだダニエルと、反骨と悲哀が混在するミステリアスなルシアン役で新たな魅力を開花させたデイン。一線を越えるか、越えないか、繊細な愛のせめぎ合いを象徴する“濃厚なキスシーン”は、そんな二人の役者魂が火花を散らす最高のクライマックスと言えるだろう。
殺人事件をもってビートニクへの道が開かれていく物語の中で、自らの肉体を使って謎めく歴史に命を吹き込んだダニエルとデイン。特に『ハリー・ポッター』の清潔なイメージをかなぐり捨て、キスシーンはもとより激しいベッドシーンにも挑んだダニエルの“本気”に拍手を贈りたい。
『キル・ユア・ダーリン』は5月2日よりTSUTAYAだけでレンタル開始。