こんな医療ドラマ見たことがない! 全米で放送がスタートした2004年、驚きと称賛を浴びながらスタートした『Dr.HOUSE』は、2012年にファイナル・シーズンを迎えるまで、トップを走り続けてきた大ヒットドラマシリーズだ。もちろん、日本でも人気を博したが、その人気の秘密は、物語自体の面白さだけではない。
【関連】『Dr.HOUSE』ファイナル・シーズン場面写真
「長かったはずなのに、振り返ってみたら、あっという間でした」と、しみじみ口にする木下。彼が演じたハウスは、これまで数々の原因不明の病を治療してきた天才医師だが、毒舌家で協調性ゼロ、性格の悪さは折り紙つきという、これまでに類を見ない、まさに唯一無二のキャラクターだ。
「シーズン1のころは、(ハウス役の)ヒュー・ローリーの癖とか声の出し方とか、どんな方法で演じるのがいいんだろうと試行錯誤していましたが、シーズンを重ねるごとに、芝居の癖や、次はどんな方法でくるのかが僕なりにわかってきた。すると、“この演技の時は、こう返す”といったものが自分のなかに蓄積されていき、ドラマのひだや、より細かいところにまでも目を向けられるようになったんです」。
ただ、こう付け加える。「でもね、完全にはつかめないんですよ、やっぱり。ハウスはつかみどころがないのが魅力でもあるから、僕が『シッポくらいはつかんだ!』と思ったら、次の日はまた違うことをやっている(笑)。『彼の本性をつかんだ!これでいけるぞ!!』というのは、結局、最後までなかったですねぇ」。 とはいえ、ハウス=木下のイメージは揺るぎない。聞けば、ハウスの吹替には、プロフェッショナルな要素が存分に含まれていた。
「息づかいって、あるとないとでは空気感とか肌触りとかが変わるんですよ。例えば、セリフを言う前に“はっ”と息を吸う。言おうとしていて言えないときに、息を止める“間”があって、『――だけどね』とか。こういった息づかいも吹替えてあげないと、その芝居が壊れてしまうだけでなく、ドラマのうねりが視聴者の方になかなか伝わらない。余計に入れてしまうと邪魔になりますが、これは効果的だなという息は必ず入れるようにしています」。
最後に、177話分ものハウスを演じた“ハウス・マイスター”の木下に、『Dr.HOUSE』の魅力を語ってもらった。「一番魅力的なのは、ハウスのキャラクターでしょうね。
『Dr.HOUSE ファイナル・シーズン』レンタル中&DVD‐BOX(全22話/税抜8200円)は、5月9日発売。同日、日本が世界最速ブルーレイ化となる『Dr.HOUSE コンプリート ブルーレイBOX』(全177話/税抜3万8000円)も発売。
そう、その世界観を字幕以上に忠実に再現する、日本語吹替の存在である。なかでも大きかったのが、もちろん主人公グレゴリー・ハウス医師の声をあてた俳優・木下浩之だ。
【関連】『Dr.HOUSE』ファイナル・シーズン場面写真
「長かったはずなのに、振り返ってみたら、あっという間でした」と、しみじみ口にする木下。彼が演じたハウスは、これまで数々の原因不明の病を治療してきた天才医師だが、毒舌家で協調性ゼロ、性格の悪さは折り紙つきという、これまでに類を見ない、まさに唯一無二のキャラクターだ。
「シーズン1のころは、(ハウス役の)ヒュー・ローリーの癖とか声の出し方とか、どんな方法で演じるのがいいんだろうと試行錯誤していましたが、シーズンを重ねるごとに、芝居の癖や、次はどんな方法でくるのかが僕なりにわかってきた。すると、“この演技の時は、こう返す”といったものが自分のなかに蓄積されていき、ドラマのひだや、より細かいところにまでも目を向けられるようになったんです」。
ただ、こう付け加える。「でもね、完全にはつかめないんですよ、やっぱり。ハウスはつかみどころがないのが魅力でもあるから、僕が『シッポくらいはつかんだ!』と思ったら、次の日はまた違うことをやっている(笑)。『彼の本性をつかんだ!これでいけるぞ!!』というのは、結局、最後までなかったですねぇ」。 とはいえ、ハウス=木下のイメージは揺るぎない。聞けば、ハウスの吹替には、プロフェッショナルな要素が存分に含まれていた。
「海外ドラマの場合は特にそうなんですが、むこうの役者さんがやっている芝居の邪魔をしないというか、あまり変えることなく、持っている面白さを日本語でどう伝えられるか。そこに一番神経をとがらせます。そのためには、素材を頂いたら、まずは(役者の)口に合わせて日本語をあてる練習をします。そこから、どこに強弱をつけているのか、呼吸のタイミングなどを、口を見ながらさらに練習し、芝居の癖なり、表情なりを加味する」と語り、台詞の意味やその裏側まで表現できるようとにかく練習三昧。なかでも、大切なのは“息”とのこと。
「息づかいって、あるとないとでは空気感とか肌触りとかが変わるんですよ。例えば、セリフを言う前に“はっ”と息を吸う。言おうとしていて言えないときに、息を止める“間”があって、『――だけどね』とか。こういった息づかいも吹替えてあげないと、その芝居が壊れてしまうだけでなく、ドラマのうねりが視聴者の方になかなか伝わらない。余計に入れてしまうと邪魔になりますが、これは効果的だなという息は必ず入れるようにしています」。
最後に、177話分ものハウスを演じた“ハウス・マイスター”の木下に、『Dr.HOUSE』の魅力を語ってもらった。「一番魅力的なのは、ハウスのキャラクターでしょうね。
こんなにお茶目で意地悪で、それでいて医療に関しては天才で、命を救うということに対して手段を選ばない。それは時に執拗で残酷です。病気は治っても、ほかのトラウマを抱えてしまいそうなほどに(笑)。そういった、ほかの医療ドラマとは一線を画す部分がとにかく面白い。また、ハウスがシャーロック・ホームズにヒントを得てるっていうのもあって、医療探偵ドラマとでも呼べるくらい、謎に満ちた病例を解き明かし真実をつきとめていくんです。そこも魅力ですよね」。そんな見どころ満載の傑作ドラマ『Dr.HOUSE』。日本でのヒットには、こんなプロフェッショナルな吹替版の存在も欠かせないようだ。
『Dr.HOUSE ファイナル・シーズン』レンタル中&DVD‐BOX(全22話/税抜8200円)は、5月9日発売。同日、日本が世界最速ブルーレイ化となる『Dr.HOUSE コンプリート ブルーレイBOX』(全177話/税抜3万8000円)も発売。
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