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まず、今回の『進撃の巨人』だが、注目したいポイントは『進撃~』も『FRaU』も、それぞれ講談社から発行されているという点。過去にも、『ワンピース』の単行本累計発行部数2億冊突破記念と題し、集英社の全雑誌の表紙を主人公ルフィ率いる“麦わらの一味”がジャックしたことがあった。出版業界の関係者は話す。
「(アニメ化された)原作の出版社同士であれば、編集者同士が顔見知りであったり、上からの命令であったりと、実現化しやすい企画のひとつです。意外性という点で話題になりますし、通常の読者層とは違う人が購入して部数アップ。上手くいけば、定期購読に繋がってくれる」。
ただ――と、前述の関係者は付け加える。
「それは理想論であって、そうは上手くいかないんですよね(笑)。そもそも、それで部数が確実にアップするのであれば、頻繁に行うはずです。話題作り、雑誌の認知度アップという点で、アニメのキャラクターを利用したい。それが、一般誌の表紙にアニメのキャラクターが増えている理由でしょうね。
「基本的に狙いどころは同じですが、すんなりと事は運びません。というのも、別の出版社のキャラクターなので、顔の向きや衣装、例えば、アニメ内での人気キャラクター2人を並ばせるのは、ごひいきの雑誌でしかやらせないとか(笑)、要は版元がOKしないと、いくら編集部がこうしたい、ああしたいと言ってもダメなんです。最終的に当たり障りない絵が仕上がってくる(笑)。自分のところが育てたキャラではないですから、結構な作画料は払っているんですが、しょうがないかなぁ、と」。
別の関係者は、こんなエピソードを披露してくれた。
「このアニメが流行っているから、そのキャラクターを表紙に! と、編集部が盛り上がって表紙をどうにか実現させるのですが、熱心なファンとは知識量が違うわけですよ。だから、このキャラが表紙になれば本が売れるだろうと期待するものの、このキャラは●●さんの描いたものではないとバッサリ。素人目には同じに見えても、ファンには誰が描いたかが重要で、結果的に部数に繋がらない。安易に表紙にするべきではないと学びました」。
正直、芸能人より大変なことが多い、アニメキャラクターの表紙登場。