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原作は、累計発行部数600万部の咲坂伊緒による人気コミック。高校1年生の吉岡双葉と、中学時代からの初恋の相手・馬渕洸を中心に、青春期の恋や友情など“忘れられない時間”をみずみずしく切り取るストーリーだ。
双葉役の内田は、「原作を読ませていただいた時に、双葉は『あ、自分だ』と思いました」と笑う。「双葉は、私だけじゃなく『高校時代って、こういう風に思っていたな』と誰もが強く共感できる女の子。たくさんの共感を表現できる双葉を演じることで、私自身も何か変われるんじゃないかと思いました」。一方、「オーディション以前から原作を読んでいた」という梶も、「いつか音声化される時があれば、洸のような役をやってみたかった」と洸役への特別な思いを明かす。
その理由は、「洸は、これまでの自分の引き出しにないような人だと思った」からだとか。「キラキラしたドラマではありますが、洸も双葉もみんな普通の高校生。ファンタジーやバトルものを演じる時は、想像の中で芝居をしたり声を出していきますが、『アオハライド』には、誰もが経験してきた日常がある。肩肘を張るよりも、自然の反応を出すことが許される現場になるんじゃないかと思いました」と、新境地にチャレンジできる役柄でもあったという。
お互いに距離感の近いキャラクターとなったが、梶は「自然で生々しい空気感。
内田は「1話の収録が終わった後に、現場の女の子たちが『ふう~』とため息をついて。双葉と洸の会話に、みんながギューッと心をつかまれるような瞬間として共有していたんですね。そういう現場ってなかなかない。私は、良い場所で仕事をしているんだなと実感しました」としみじみ。梶も「青春って一瞬のもので、普通に生きていたらなかなか味わえないもの。でも、再びその感覚を感じながら演じられるのはとても嬉しいし、見ていただく方にも、過去に経験した甘酸っぱい青春を生々しく感じていただけたら、本当に声優冥利につきる」と力を込める。 さらに、「アフレコブースにいると、学生生活を送っているような感覚になるんです」と内田。みんなが登場人物に見えてくるような、すごく良い雰囲気の中で演じさせてもらっていて。監督やスタッフさんが、先生に見えてくるんですよ(笑)」。梶も「本当に教室みたいだよね! 今、現場に行くのがすごく楽しみですもん。
そんな2人に初恋の思い出を聞いてみると、「洸は『吉岡双葉』って、ノートに双葉の名前を書いたりしていましたが…今思えば恥ずかしい話ですが、僕も好きな女の子の名前をノートに書いたりしてましたね(笑)。目でその人を確認できるのって、素敵じゃないですか…?」と梶。梶の告白に「うわー!」と声を上げた内田だが、「私も相合い傘を書いたりしました!でも、好きな子を意識し過ぎちゃって、目も合わせられないし、変な態度をとっちゃったりして。遠くからキラキラした目で見ていました」と照れ笑い。梶も「僕も言えないタイプだったなぁ。友達にも気持ちを隠したりして。もうきっと、バレバレなんだけどね」と笑う。
息もピッタリの2人だが、梶は「ちゃんと話をするようになったのって、最近なんですよ」と内田に目を向け、「『ノラガミ』でガッツリと共演できて、その時に真礼ちゃんがいろいろと葛藤している思いも聞けた。どういう役者さんなのか、どういう人間なのかを少し知ることができた上で、双葉と洸を演じられたのはとても良かった」と内田との共演を喜ぶ。「エネルギッシュで、物怖じしないし、男らしいところがある人(笑)。でもだからこそ、弱みをあまり見せないところがある」と、梶の目に映る内田は、どうやら双葉そのものだ。
内田は「梶さんって、太陽のような人だと思っていたんです。すごく明るくて、現場でも男子同士で小突き合いをしているイメージ」というが、それが「変わった」と明かす。「いろいろとお話する機会があって、先輩としても、役者さんとしてもすごく真面目な人なんだとわかって。作品を重ねたおかげで、そういう部分も知れて、より素直に接することができるようになったと思います」。絆を深めた2人が演じる双葉と洸。ベストキャスティングを堪能し、是非“あの頃”のひたむきさに胸を焦がしてほしい。(取材・文・写真:成田おり枝)
『アオハライド』は、TOKYO MX、MBS、BS11にて放送中。