鍛えあげられた鋼のような肉体と立派な髭…それなのにツインテールとセーラー服!? 今、巷で話題になっている女装男子“レディビアード”をご存知だろうか。これまでの女装男子の常識を覆すルックスで大ブレイク中の彼は、いったい何者なのか。
その素顔に迫った。

【関連】“永遠の髭少女”レディビアード<衝撃のフォトギャラリー>

 “Ladybeard(レディビアード)”は、オーストラリア出身の女装パフォーマーだ。プロレスラーやヘビーメタルシンガーとして活躍しており、香港やフィリピンでの活動を経て、2013年に日本へ本格進出した。一目見たら忘れられないその個性的なルックスで瞬く間に話題となり、現在大ブレイク中なのである。

 しかし、そもそもなぜ女装なのか。レディビアード氏は「きっかけは14歳のときでした」と話す。

 「女装してパーティーに参加したところ、皆のテンションが一気に上がって面白がってくれたんです。それが女装パフォーマンスを始めるきっかけでした。その後、パフォーマーとして香港へ移住し、フィリピンやオーストラリアを何度か行き来した後、日本で活動することになりました」。

 現在は日本に居住し、本格的に腰を据えて活動しているというレディビアード氏。来日のきっかけになったのは、2011年に日本で開催したライブだったという。

 「東京、大阪、沖縄でライブを行ったのですが、お客さん皆がものすごくハイテンションでした。
これまでパフォーマンスをしてきたどの国よりも楽しんでくれて、そのことがすごく嬉しかったのです。それに、私は日本のアニメや漫画、映画、武道が大好きなんです。特に映画『片腕マシンガール』はクレイジーでしたね」。 日本でレディビアード氏のプロデュースを担当しているのは、女装撮影スタジオ「大羊堂」を運営する写真家の立花奈央子氏だ。知人の紹介でレディビアード氏と知り合ったことが縁で、日本での彼の活動をサポートしている。そんな立花氏は、レディビアード氏の魅力について次のように語る。

 「そもそも彼自身が人間としてとても魅力的。人を楽しませたいという気持ちが強く、ファンがあっての自分だということを理解しています。だからこそ、最高のパフォーマンスのために毎日の生活を自制心を持って過ごしている。すごくストイックな人なんです」。

 女装パフォーマーとしてもっとも大切なことは、肉体の維持。そのためにレディビアード氏は、ジムに通うことはもちろん、高タンパクかつ低脂肪な食品として、大量の豆を毎日食べるようにしているという。
撮影などの仕事の前には、利尿作用のあるコーヒーで水分を抜くという徹底ぶりだ。

 パフォーマーとしての今後の目標は「もっと大きなステージでパフォーマンスすること」だとレディビアード氏は言う。演劇や声優の仕事、お笑い、ギミックを使った大掛かりなステージにも意欲を示している。

 「私にとってのゴールは、お客さんの日常を特別な時間にすること。私たちは毎日何があったかをぜんぶ覚えているわけではありません。でも、すごく楽しくて、感動する出来事があれば覚えておくことができます。それは、とても価値のあることなのです」。

 インパクトある見た目とパフォーマンスでファンを魅了し続けているレディビアード氏。その原動力は「人を楽しませたい」という純粋な思いだった。(取材・文:山田井ユウキ)
編集部おすすめ