この夏公開された3DCG長編アニメ映画『聖闘士星矢LEGEND of SANCTUARY』。「週刊少年ジャンプ」(集英社)の連載やテレビアニメで絶大な人気を誇る漫画を映画化した作品だ。
この作品が12月5日にブルーレイとDVDによりリリースされた。今回はこの作品でペガサス星矢役を務めた石川界人と、アンドロメダ瞬役の岡本信彦に、改めて本作品の収録時の様子などを語ってもらった。

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 原作は、車田正美による漫画作品。漫画界では一つの金字塔を打ち立てたほどの作品だけに、改めてこの作品を作る側にも相当なプレッシャーがあったに違いない。主人公を務めた石川は20歳で声優陣の中では最年少。これだけの作品、しかも共演には大御所揃いという、彼には大きな重責のかかった現場。そのときの模様を、石川は「緊張しましたね。でも逆に安心もありましたね、自分が突っ走り過ぎても、しっかりとフォローしていただきました。先輩方は技術も人格も優れている方ばかりだからこそ、今回は、今の自分の全力を出し切れたと思います」。

 星矢というメインキャラクター同様、瞬も『聖闘士星矢』の中ではトップクラスの人気を誇るキャラクター。その役を演じる上での苦労を、岡本は「『星矢』は、いろんなメディアでも名前が知られているでしょう? 対して僕は、たとえば界人くんが示す方向性をどう支えられるか? そこで自分がなにを出せるかというところがカギでした」と明かす。

 石川と岡本は先輩後輩の間柄で、昨年からたびたび共演の機会もあった。
「界人くんはとてもまじめで、本当に熱い。たとえば今回『こうやりたい』という意向を現場に伝えるとき、積極的にディスカッションしていました。普通はそういうときは縮こまってしまうことも多いと思います。だから今回の現場は、一本芯が通ったように思います」と岡本。先輩の立場から見た印象としても、主役として、また今回の座長として彼自身を認めている様がよくわかる。

 劇中では最も重要な役を務めた二人だが、岡本いわく、彼らの間には不思議と火花を散らすようなライバル心は生まれなかったという。「どちらかというと、強大な黄金聖闘士の先輩たち(笑)に立ち向かっていくために、一丸となるしかないという感じで協力し合っていましたね」。 星矢、瞬は、ストーリー上のカギとなるキャラクター、沙織に近い立場にあり、その関係も興味深い。今回、沙織を演じたあーりんこと佐々木彩夏(ももいろクローバーZ)の印象を、石川は「神々しさは近いのでは? たとえば仮に星矢がアテナのことを好きだったとしても、絶対に手は出せないでしょう? あーりんさんはそういう感覚の人だと思います。もちろん仲は良いし、トークも楽しく接しますけど、やっぱりすごい人だと思います」と話し、石川が考える佐々木の印象は星矢が思う“沙織”の印象に通じるようだ。

 そして、改めて岡本が作品を振り返った。「この作品は日本の枠を越えて海を渡りました。
『やはり日本のアニメってすごい』と、認知してもらえることと思います」。また、今後の願望について石川は「もっとほかの聖闘士星矢のコンテンツが、いろんな人に浸透していってほしい」と思いを口にする。二人が今後に対する思いは同じ、続編への期待だ。

 原作を超えるほどに、新たな世界観の構築へ果敢に挑戦したこの作品。恐らく劇場で作品を一度見ただけでは認識できないほどに、細部へのこだわりも見られる。今回ブルーレイ&DVDリリースは、深くその世界観を知るための朗報といえよう。劇場を楽しんだ人も、まだ作品を見ていない人も、是非この新たな『聖闘士星矢』ワールドを味わってみてもらいたい。(取材・文・写真:桂伸也)

 映画『聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY』ブルーレイ&DVDは、12月5日発売/デジタル・セル同時配信開始。価格は、初回限定生産ブルーレイBOX(2枚組)は9790円(税抜)、初回限定生産ブルーレイ(アウターケース付き)は5790円(税抜)、DVDは4790円(税抜)。
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