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1999年43号から「週刊少年ジャンプ」で連載がスタートした岸本斉史原作の『NARUTO-ナルト-』は、2014年11月の50号で幕を閉じるまで、合計7名の担当が編集にたずさわった。大槻氏は、『NARUTO -ナルト-』最後の編集を担当した7代目。世界中にファンを持つ大作にたずさわれる喜びが大きいかと思いきや「ある意味、不幸なんですよね」と語る。
「実は、『NARUTO-ナルト-』が初担当の作品なんです。初めて担当した作品が、いきなり大人気の漫画。しかもそのクライマックスを担当。担当変更の通知を見たとき『嘘だ』と信じられない気持ちが強かったですが、『たぶん最後の担当だから』と編集長に言われ、今に至っています」。
読者からのプレッシャーは「超巨大です」と笑う。「それでも先生と僕が面白いと思ったものを信じてやるしかありません。期待は受け止めつつ前に進んでいきました。
699.5話を描く劇場版『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』は、原作の終わりに合わせて作られたという。「『698~699話でサスケとの決着が着き、700話はナルトが火影をやる未来」と原作の流れが出来上がったときに映画の話が来て、『それなら間のストーリーを映画で描ける』と考えました」岸本先生は今回の映画について、「『自分の子供が恋愛しているところを見ているみたいだ』と照れています。そして原作が終わり、映画のタイトルもナルトというキャラクター“THE LAST”。人生の集大成的な部分があり感慨深くなっています」。 大槻の劇場版オススメシーンの一つがエンディング。「エンディングのイラストはスタジオぴえろさんのアニメーター都留さんが一人で手がけられたそうです。スキマスイッチさんの歌と相まって感動が押し寄せてきました」内容は見てのお楽しみだ。
2015年の短期連載についても聞いてみた。「過去には、メインのストーリーラインに乗せきれなかった話がありました。また、そもそも最終話が未来です。原作のなかには気になる要素がたくさん残っており、そこを描いていくかもしれません。いずれにせよ、読者の期待を裏切ることがないよう努力していきます」どんなストーリーが描かれるのか、期待は膨らむ一方だ。
大槻氏が気に入っている原作漫画のエピソードについて問うと、真っ先に挙げたのが、ガイの父親マイト・ダイのエピソードと、698話でサスケが口にした「ウスラトンカチ」の場面。「ガイの父親は、初登場なのにすごくキャラが立っていてかっこ良かったです。698話の『ウスラトンカチ』はネームの時点で泣けました。サスケというキャラクターの、数年越しのカタルシスを感じられました」。
先生の絵に話が飛ぶと「圧倒的な画力を持つ先生の原稿は、いつ見ても感動します。とくに表情が素晴らしいですね。699話のサクラの口(※「週刊少年ジャンプ」50号P40)の描き方などすごいです。
最後に、これから映画を観る方に向けてコメントをもらった。「ナルトをずっと読んできた方も今読み始めた方も、途中で離れた方も、色んな方がいらっしゃると思います。『NARUTO』という作品を通じて、少しでもナルトの生き方とか歩んできた道を見てきた人にとって、感慨深い映画になっていると思います。ぜひ見ていただければ」。
劇場版『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』は12月6日公開。