NHK朝の連続テレビ小説『まれ』でヒロイン・土屋太鳳の弟・一徹役に抜擢された葉山奨之は、若手俳優の中でも注目株の一人だ。ここ最近では、映画『シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸』、『超能力研究部の3人』、ドラマ『Nのために』などで好演。
2月には『狂人なおもて往生をとぐ』で初舞台を踏む。3月に公開される映画『あしたになれば。』でも、主人公の親友役として出演する俳優・葉山の人物像に迫ってみた。

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 『あしたになれば。』は、大阪・南河内を舞台にした甘酸っぱい青春群像ストーリー。グルメコンテストに出場する高校生たちの瑞々しい奮闘ぶりを描いている。今まで、葉山は二面性を持つ生徒会長(ドラマ『夜のせんせい』)など陰のあるキャラクターを演じることが多かったが、本作では、お調子者で明るく、友達思いの高校生役を務める。

 「この役に関しては自分とほとんど変わらないです。関西弁でいうと“いちびり”です。役作りとかほとんどやってないですね」と断言する葉山。キャストは同世代の俳優で固められており、アドリブも多く、和やかな現場だったという。「でも、主役の小関(裕太)くんは僕とは正反対で真面目なタイプ。
僕はどうにか邪魔しようと、ちょっかいばかり出してましたね」と葉山はニヤリと笑う。

 同性でもうっとりしてしまうような端正な顔立ちだが、表情豊かで気取りがない葉山。元々は大阪府出身で、小学校2年のときに親の仕事の関係で上京した。それでも家に帰ると今でも関西弁になるそうだ。また、子どものころから好奇心旺盛。小学生からピアノやギター、キックボクシング、合気道など数多くの習い事をしていたという。「お母さんが行くところにはどこへでもついていきました。なんでもやってみたいんです。それは今でも変わらない」と葉山は朗らかに笑う。

 小栗旬に憧れて、小栗と同じ事務所に入った。「最初は、台詞回しとか小栗さんの真似ばっかりしていました」とデビュー当時の自分を振り返る。「でも、そうしているばかりではダメだと思って、今はちょっとづつ、自分のやり方を探しています。
泣くシーン一つとっても、静かに泣く人がいれば、大声でわめく人もいる。役によって違いますけど、僕に合った表現方法があるんじゃないかなって」。 順調にキャリアを重ね、今年は朝ドラにレギュラー出演。「オーディションはちょうどこの映画の撮影中でした。なかなか結果が出なかったので、ほとんど諦めていたんです。だから、決まったときは、ドッキリだと思ったんですよ。マネジャーさんと真面目に話していた後に、急に『朝ドラ決まったよ』って台本を出されましたからね。カメラを探しちゃいましたよ(笑)」。

 最近は高視聴率を叩き出している朝ドラ。プレッシャーはないのだろうか。「むしろ、がむしゃらにやっています。共演者の皆さんのアドリブがすごいんですよ。
大泉洋さんは僕にカメラが向いているとき、わざと笑わせるんです。若手つぶしですよ(笑)」。

 演技の話になると葉山は真剣な表情に変化する。「クランクイン前はこの人はどう生きてきたのかとか、いろいろ考えるけど、現場では考えないようにしています。感情は現場で出てくるものじゃないとダメなんじゃないかと。考えすぎて、違った表現するとショックが大きいんです」。その鋭い眼光が朝ドラ出演の決め手になったのかもしれない。

 映画『あしたになれば。』は2月14日(土)より大阪・あべのアポロシネマにて先行公開。3月21日(土)より東京・角川シネマ新宿ほか全国順次公開。

ヘアメイク:コウゴトモヨ
スタイリスト:EIKI
現場スタイリスト:森内陽子
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