1月9日より公開された『劇場版 PSYCHO‐PASS サイコパス』が、4日間で興収2億4758万円を記録。週末ランキングでは初登場4位に食い込み、その後も好調をキープ。
【関連】『PSYCHO‐PASS サイコパス』作品フォトギャラリー
本シリーズは、人々の精神が数値化される近未来で、正義を問われる警察のドラマを描くSFアニメーション。2012年10月からフジテレビの「ノイタミナ枠」でTV第1期が放送されるや、男女問わず絶大な支持を得たが、まず注目を集める上で大きかったのが、オリジナル脚本を手がけた虚淵玄(ニトロプラス)の存在だろう。
『魔法少女まどか☆マギカ』で一気に知名度を上げた虚淵。想定外の展開で見るものを釘付けにし、「この人の作品なら何かあるぞ」とザワザワ感と期待感をたっぷりと与えてくれる作家だ。映画『楽園追放‐Expelled from Paradise‐』(14)で虚淵とタッグを組んだ水島精二監督は、彼の脚本の魅力を「キャラクターを甘やかさないこと」と語っていたが、本シリーズも、主人公の公安局刑事課一係監視官・常守朱をはじめ、犯人たちもそれぞれの正義を求めて葛藤、対立。「キャラを甘やかさないこと」で生まれる緊張を存分に味わえるシリーズとなった。 もう一つのヒットの理由として挙げたいのが、『踊る大捜査線』シリーズの本広克行が総監督を務めたことだ。本広監督が手がける初のアニメ作品としても話題になった本シリーズ。虚淵は「自分の想像力を超えた場所に辿り着いた」とコメントしていたが、そういった新鮮なコラボレーションが、本シリーズを見たことのない本格的警察ドラマへと成長させていったのだろう。ゲームのシナリオからキャリアをスタートさせた虚淵が、多彩な才能が結集することのパワーを実感。
また、フジテレビ「ノイタミナ枠」で放送されるという条件も、アニメファンの期待を大いに刺激した。これまでにも『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『東のエデン』など、10年に渡り定期的に人気作を輩出している放送枠だ。「アニメの常識を覆したい」との願いから作られた枠で、そのチャレンジ精神に毎回熱い視線が送られる中、『サイコパス』シリーズはしっかりとファンの思いに応えた代表作となった。続編の可能性も大いに考えられる本シリーズ。骨太なSFの世界にどっぷりと浸りながら、続報を楽しみに待ちたい!(文:成田おり枝)
人気の高さを証明した。そもそもなぜ、本シリーズの人気に火が付いたのか? 3つの柱を軸に理由を考えてみたい。
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本シリーズは、人々の精神が数値化される近未来で、正義を問われる警察のドラマを描くSFアニメーション。2012年10月からフジテレビの「ノイタミナ枠」でTV第1期が放送されるや、男女問わず絶大な支持を得たが、まず注目を集める上で大きかったのが、オリジナル脚本を手がけた虚淵玄(ニトロプラス)の存在だろう。
『魔法少女まどか☆マギカ』で一気に知名度を上げた虚淵。想定外の展開で見るものを釘付けにし、「この人の作品なら何かあるぞ」とザワザワ感と期待感をたっぷりと与えてくれる作家だ。映画『楽園追放‐Expelled from Paradise‐』(14)で虚淵とタッグを組んだ水島精二監督は、彼の脚本の魅力を「キャラクターを甘やかさないこと」と語っていたが、本シリーズも、主人公の公安局刑事課一係監視官・常守朱をはじめ、犯人たちもそれぞれの正義を求めて葛藤、対立。「キャラを甘やかさないこと」で生まれる緊張を存分に味わえるシリーズとなった。 もう一つのヒットの理由として挙げたいのが、『踊る大捜査線』シリーズの本広克行が総監督を務めたことだ。本広監督が手がける初のアニメ作品としても話題になった本シリーズ。虚淵は「自分の想像力を超えた場所に辿り着いた」とコメントしていたが、そういった新鮮なコラボレーションが、本シリーズを見たことのない本格的警察ドラマへと成長させていったのだろう。ゲームのシナリオからキャリアをスタートさせた虚淵が、多彩な才能が結集することのパワーを実感。
アニメ制作の楽しさを再確認したシリーズにもなったようだ。
また、フジテレビ「ノイタミナ枠」で放送されるという条件も、アニメファンの期待を大いに刺激した。これまでにも『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『東のエデン』など、10年に渡り定期的に人気作を輩出している放送枠だ。「アニメの常識を覆したい」との願いから作られた枠で、そのチャレンジ精神に毎回熱い視線が送られる中、『サイコパス』シリーズはしっかりとファンの思いに応えた代表作となった。続編の可能性も大いに考えられる本シリーズ。骨太なSFの世界にどっぷりと浸りながら、続報を楽しみに待ちたい!(文:成田おり枝)
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