映画なら『かもめ食堂』や『南国料理人』、ドラマなら『孤独のグルメ』に『深夜食堂』、アニメならスタジオジブリ作品などを筆頭に、映像作品で「料理や食事シーンを美味しそうに観せる」のは見逃せないヒットの法則だ。そこで今、注目なのがTVアニメ『幸腹グラフィティ』。
魔法少女まどか☆マギカ』『<物語>シリーズ』の新房昭之総監督×シャフトが、独自表現で挑む“究極の飯テロ”アニメだ。

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 今期もバラエティに富んだ深夜アニメが放映されているが、今、最もSNSを騒がせている作品のひとつがグルメ&日常系アニメの『幸腹グラフィティ』。同居していた祖母を亡くし、どんな料理も美味しく感じられなくなった一人暮らしの中学生・町子リョウが、叔母の頼みで週末だけ、はとこの森野きりんを泊めることになり…。同名4コマ漫画を原作に、料理や食事を通じて温かい人間関係を築いていく姿を描く。

 新房昭之総監督×シャフト作品は近年、『魔法少女まどか☆マギカ』や『<物語>シリーズ』など、独特の世界観を持つスタイリッシュ&ダークテイストが多かっただけに、どう『幸腹グラフィティ』を“料理”するかも注目の的だったが、オンエアが始まって納得! 斬新な演出にこだわる新房×シャフトらしさは、“徹底的にリアルに描かれる料理”と“美味しそうな料理を美味しそうに食べるキャラクター表現”へのこだわりに満ちていた。 それが証拠に、他のアニメでは見ない役職のスタッフが本作にいる。それが「メシデザイン」と「メシ作監」だ。「メシデザイン」の担当は『ひだまりスケッチ』ほか多くの新房×シャフト作品で作画監督を務めている伊藤良明。「メシ作監」は伊藤とともに『ニセコイ』作画監督の新井博慧が交代で担当している。

 専門職を置いただけあって、出てくる“メシ”は実写と見紛うばかりのリアルさ。おいなりさん、きつねうどん、卵焼き、筍ごはん、オムライスなどが、ほかほかと立ちのぼる湯気まで丁寧に描き込まれ、萌え心くすぐる美少女たちがじつに幸せそうな表情を浮かべてゆっくりと味わう。その姿を観ているだけで、口中にヨダレが湧き上がってくる。
また、佐藤利奈大亀あすか、小松未可子、小林ゆうら人気声優陣が繰り広げる“美味しそう”な熱演もポイントだ。

 視聴者の反応も、放映回を重ねるごとにヒートアップ。SNS上では「幸腹グラフィティすごい飯テロひどすぎるおいなりさんたべたい」「ふわとろオムライス~!!幸腹グラフィティ見てたら食べたくなった~!!」「ジューシーな香りまで漂ってくる作画に思わずヨダレが…」「何処の孤独のグルメだよ!」と、空腹に悶絶する声多数。『孤独のグルメ』も口コミで人気がどんどん上昇していっただけに、『幸腹グラフィティ』も3月のクール終了までに、さらに注目度がアップするに違いない。(文:阿部美香)

 『幸腹グラフィティ』はTBS系にて毎週木曜25時46分ほかにて放送中。
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