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アニメの放映数が増えた近年、アニメファンには、新クール開始時に「第一話がつまらなかったらもう観ない」という“一話切り”が定番化。大抵のアニメが序盤にしっかりと物語と設定を盛り込んで、分かりやすく期待感をあおる作りが浸透している。
だが、『パンチライン』は、そんな業界のお約束に囚われない。第一話を観た人たちのネットでの反応も、「わけがわからんアニメだった…」と困惑する人、「ぶっ飛んでてすごくおもしろかった!」「これは素敵なバカアニメwこのまま頭の悪さ全開で突っ走って欲しい」と称賛する人が入り乱れることになった。
そもそも『パンチライン』は、ある事件をキッカケに幽体離脱した高校生・伊里達遊太が、アパート「古来館」に住む変わり者の女の子たちの暮らしに霊力を使用し干渉しながら、誰かわからないヤツに乗っ取られてしまった元のカラダを取り戻すため、「古来館」のどこかにある聖典を見つけるお話なのだが、問題は伊里達遊太の持つ特殊能力だ。 遊太は女子の“おパンツ様”を目撃すると鼻血を吹いて意識を失い、次の瞬間、小惑星が地球に落下して人類が滅亡。そのたびに遊太は時間を巻き戻し、行動をやり直すことになる。元々はゲームとして企画された作品だというのも納得だ。(現在、ゲーム化も進行中!)
それだけでも興味深いが、絵柄もノリもポップでキュートな裏側に、「絶対にシリアスでダークな物語が横たわっていそう!」なのも大きな魅力。あえていうなら、『フリクリ』に『新世紀エヴァンゲリオン』や『魔法少女まどかマギカ』の謎解きをミックスしたような感覚か?
謎が謎を呼ぶ伏線も毎回登場。女子キャラたちも、プライベートで正義のヒーローをやっているアイドル、ひきおたニートなネトゲ廃人など、いかにも“裏ありげ”なのもポイントだ。音楽を小室哲哉が担当し、女子キャラが歌う演歌まで作曲している、などという小ネタもじわじわくる。
アイドル・成木野みかたん役の声優・雨宮天が、自身のブログで「パンチラインは4、5話あたりで印象がガラッと変わる作品だと思います。(中略)今の時点で“意味が分からない”という感想は間違っておりませんので、取り敢えず6、7話あたりまで観て下さい!!(笑)」と語る本作。今後も、さらに混迷するシチュエーションが提示されており、この先いったい何が起こるのか?と、ますます目が離せない!(文:阿部美香)