1999年~2000年にかけて、TVアニメーションとして放送され絶大な人気を得た『デジモンアドベンジャー』。このたび、本シリーズのTV放送開始から15周年を記念して、全6章からなる新シリーズ『デジモンアドベンチャー tri.』として蘇る。
当時、小学生だった主人公・太一たちが本作では高校生に成長。デジモンたちのキャストはそのままに、今回、新たに八神太一役を演じる花江夏樹石田ヤマト役の細谷佳正の2人に話を聞くことができた。

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 『デジモンアドベンジャー』は、1997年にバンダイより発売された携帯液晶ゲーム機「デジタルモンスター」をベースに、ほぼ完全なオリジナルストーリーでTVアニメ化。未知の世界“デジタルワールド”にいきなり飛び込んでしまった少年少女たちが、そこで出会ったパートナーとなるデジモンたちとの冒険を描き人気を博した。その続編となる本作は、『デジモンアドベンジャー』から6年後が舞台。当時、デジタルワールドを冒険した太一ら“選ばれし子どもたち”が高校生となった姿を描く。

 「まず、オーディションに声をかけてもらったこと自体がすごいことで、しかもまさか太一役をいただけるなんて…」と、驚きを隠せない花江。また、「当時リアルタイムで見ていたこともあり、思い入れが強い作品だったので、本当にびっくりしました」と振り返る。一方、ヤマトを演じる細谷はキャスティングが決まってからより深く、『デジモンアドベンチャー』について調べ始めたと明かす。16年ぶりの製作であり、なおかつ“選ばれし子どもたち”側だけキャストを一新したことに「賛否両論はあるだろうなとは思い、少し緊張しました」と正直な感想を漏らす。だが「ファンの方たちにとって、複雑な気持ちは当然あると思いますが、必ず違和感は無くしていこうと思いました」と力強く答える。 アフレコ収録は、ほぼ全キャストが揃って行われた。
花江は、当時、夢中になって観ていたデジモンたちの声を間近で感じ「子どもの頃は“デジモン”と思って観ていたので、今考えれば当たり前ですが、本当に人が声を当てていたんだぁと思いました(笑)」と、嬉しそうな笑みを浮かべる。そんな花江に細谷も「それわかる!」と相づちをうつ。「特にパルモン役の(山田)きのこさんは、どうやって声を出しているんだろうか…と思うほど、地声でもパルモンそのもので、すごく感動しました」と、目をキラキラさせる花江。
 
 初回のアフレコ収録前には、新キャストのみで台本の読み合わせを行ったと明かす細谷は、「なかなかない機会なので面白かったですね。普通の会議室で行ったのですが、ある人は画面にいるキャラクターを想像しながらセリフを発するし、ある人はキャラクター自身になりきる。最初は自分はどうしようかなと戸惑いました」と苦笑い。同じ役者同士とはいえ「キャラクター作りの仕方は人それぞれ」と口にした。

 花江は最後に、「第1章では、成長したことで昔の太一と少し変わってしまったんだなと思わせておいて、全6章を通して“あ、昔の太一が戻ってきた”となるのかな、と想像を膨らませながら、アフレコに臨みました」と今後のストーリー展開を楽しそうに予想。細谷は、「平田広明さんのナレーションから始まり、太一とアグモンの会話『お前大きなったな』『お前小さくなったな』というシーンに「再会」の様々な想いが詰まっていると思います。劇場で是非うるっとしてください」と満面の笑みを浮かべた。(取材・文・写真:鈴木沙織)

 本作で初めて『デジモン』を観る人、前作より慣れ親しんでいる人、誰もが楽しめる『デジモンアドベンチャー tri. 第1章「再会」』は11月21日より全国10館にて劇場上映。
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