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戸村さんは「マサラ上映とは本来、ミュージカル仕立ての映画が多いインド独特の楽しみ方です」と話す。「インドの方々は、劇中の歌とダンスに合わせて一緒に踊ったり、気分が高揚したらクラッカーを鳴らしたり紙吹雪を撒いたりと、“見る”というより“参加する”という感じで映画を楽しまれる」と言い、その最大の魅力を「鑑賞中に起こった感情の高ぶりを、思う存分表現できることだと思います。多くの方が一緒になって感情を発散という、これまで経験したことのない快感が味わえます」と説明する。
『ガルパン』が、アニメ映画初のマサラ上映だということだが、何故この作品だったのだろうか。「私自身『ガルパン』好きでもあったのですが(笑)、ファンがとにかく熱いのです!」と、核となる選定理由を明かす。「 ほとんどの映画は冷静な批評や分析を受けることが多いのですが、この作品のファンは言葉に出来ない程の熱を持って作品と向き合い、口からは“ガルパンはいいぞ!”の一言しか出てきません。こんな凄いパワーを持った作品はそうそうありません。ですので、ファンはきっと、その胸の内でたぎっている熱を発散したいはずだと思い、『ガルパン』ならマサラ上映でも、絶対に大丈夫だと確信していました」。 同劇場では、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のマサラ上映も行われた。どちらもインド映画以外でのマサラ上映だが、その共通点を聞いてみると、「アクションシーンの派手さとスピード感はもちろん、観客が共有できるキーワードがあります」と言い切る戸村さん。
ほかにも、マサラ上映を行う仕掛け人側からみた『ガルパン』の魅力として、戸村さんは「脚本の面白さと演出の構成の素晴らしさ」を挙げる。「各キャラの個性を上手く際立たせ、それぞれに決め台詞もあって、観ている側は自然と感情移入がし易くなる」とのこと。これがマサラ上映の“感情発散”に直結しているのだという。また、戦車ブームを巻き起こすほど徹底したリアリティとディテールにおいては、「特に音響に驚かされました」と舌を巻く。「この最高の音響を完璧に再現するために、急遽ライブハウス用のウーハーを設置し、『ガルパン』音響チーム直々に監修して頂いた音響設定で上映しています」と、劇場側のこだわりを明かしてくれた。
300枚のチケットがわずか2分で完売した『ガルパン』マサラ上映。3月5日の回で終了となったが、「お客様からの要望がとても多いので、またいつか開催できればと考えております」と戸村さん。塚口サンサン劇場では、5月に4スクリーン中3スクリーンの音響設備を一新する予定だそうで、次回があるとすれば「より音にこだわったマサラ上映ができればと考えております」と語ってくれた。
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