現在放送中のアニメ『僕のヒーローアカデミア』。本作は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の同名漫画を原作とし、超常能力“個性”を持つのが当たり前の世界で、“無個性”の少年・緑谷出久(デク)が憧れのヒーロー・オールマイトに出会い、“最高のヒーロー”として成長する様子を描く。
そんな本作で麗日お茶子役を演じる佐倉綾音が、お茶子のキャラクター像や、キャストとのやり取りなどについて語ってくれた。

【関連】『僕のヒーローアカデミア』第4話場面写真フォトギャラリー

 佐倉は「タイトルどおり王道のヒーロー作品。王道路線をなぞりながら、改めて王道として感動させてくれる、堀越耕平先生の熱量を感じます」と話す。「原作ファンの皆さんに受け入れてもらえるかどうか不安も多いですが、アニメのスタッフ陣・キャスト陣が提示する新しい『ヒロアカ』の可能性をお届けしたいです。そして最後に“いい作品だね”と感じて頂けるよう日々頑張っています」。

 作中で佐倉演じる麗日お茶子は、指先の肉球で触れたものを無重力(ゼログラビティ)にする個性をもつ少女。ただし、“個性”の許容量を超えると“リバース”してしまうのが弱点で…。

 佐倉はお茶子について「思ったより口が悪くて行動もガサツ。可愛らしくはあるんですけど男女を意識させない存在」と解説。「デクはお茶子のことを“可愛くていい人だ”と思って見ていますが、そこから恋愛に発展しそうな気配はまだないですね。作中の皆は、見据えているのが自分の幸せではなくて他人の幸せだという点がすごく『ヒロアカ』らしい。お茶子もその点、“女性ヒロイン”ではなく“女性ヒーロー”」だと話す。


 3月に開催された「Anime Japan2016」のステージイベントに登壇した佐倉。そのトークの中で、お茶子が“リバース”するシーンは「かわいく」と指導されたというが…。「私のなかでお茶子のイメージは男の子っぽいイメージでした。だから“男っぽい彼女だったら着飾らないはず。リアルにやっちゃえ!”と思って、リアルな方向の汚い音で演じたんです(笑)。そうしたら監督から“もっとかわいく”と指示されて、“かわいい”のラインを探りながら再収録しましたね」。 本作で好みの男性キャラは、メガネ好きが高じて飯田天哉くん。しかしアニメ化してからは「青山優雅くんの株が一番上がった」という。「ナルシストなお芝居ができる声優さんはいっぱいいるけどなかなかピンと来なくて、“誰が演じるんだろう?”と思っていたら、演じるのは舞台俳優の桑野晃輔さん。お会いすると腰が低くて寡黙な方だったんですけど、一言発した瞬間にアフレコ現場が“今、なんかいたぞ!?”ってざわついたんです(笑)。キャラと声がピッタリハマって“青山くんが降りてきた…!”って衝撃でした。それ以来、桑野さんが青山君の声を発する度に、声の破壊力がすごすぎて皆衝撃を受けています」。


 もし佐倉自身が大好きと公言する声優・花澤香菜が敵(ヴィラン)に捕まったら、そんなときどんな個性がほしいか問うと「ヤバイ、どうしよ!」と声を漏らし、やや動揺した面持ち。「花ちゃんを助けるなら…相手の個性を消すイレイザー・ヘッドの能力、相澤消太先生(アニメ第5話より登場)の個性がほしいです。先生のドライアイは…目薬でなんとかなるでしょう(笑)。個性を消せれば敵も同じ人間だから、なんとなくイケそうな気がします!あと先生の捕縛用の布も使って、花ちゃんを必ず救い出します!」。

 自身の個性、無重力(ゼログラビティ)ではないものを選ぶあたり、佐倉の花澤への“愛”を感じる…。そんな彼女が演じる麗日お茶子は、今後登場する機会が増えていく。その活躍に期待したい。(取材・文・写真:サクライコウジ)

 TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』は、毎週日曜17時からMBS/TBS系列全国28局ネットで放送中。
編集部おすすめ