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本作は、2012年に発足した『美少女戦士セーラームーン』20周年記念プロジェクトの一環として上演されてきた、セラミューの最新作。2016年5月に、新たなセーラー5戦士が発表されると、各方面で話題になり注目される存在となった。
これまでに経験のない2.5次元のミュージカル。そして、大人気作品の主演という新しい舞台に飛び込んだ野本。注目を集める本作だけに、出演決定には「もちろん、嬉しいというのはあったんですが、それより何で自分が(オーディションに)受かったんだろうという不思議な思いの方が強くて。『うそでしょ?』って」と驚きが大きかったと明かす。
セーラー戦士5人ともが、本作からの出演とはいえ、稽古での苦労は難くない。特に、本作では殺陣もあり、野本にとってはそれも初挑戦となる。「アクションの基礎練習では、ひたすら走る稽古を行いました。その日のうちに筋肉痛になって、セーラー戦士5人のLINEでは、みんな『起き上がれない』『足が痛い』『階段が降りれない』って(笑)。
野本は、慣れない練習の苦労をそう笑顔で話したが、その顔には充実感も見えた。インタビュー当時は、まだ稽古序盤だったため、本格的な殺陣の稽古はこれからというところ。その後、どれほどの稽古を積み、成長したのかは、ぜひとも舞台で確認していただきたい。 そもそも、野本は原作連載時には、物心つく前という年齢だ。原作についても、「オーディションを受ける前に調べましたが、世代ではないんです」と話す。しかし、「それでも月野うさぎちゃんが主人公で『月にかわっておしおきよ』ってせりふは知っていました。誰かに教わったわけでもないし、いつの間にか知っていたんで、不思議な感覚でした」という。
そんな、昔から「存在」を知っていたセーラームーン。役作りについては、「可愛いものを身につけようというところから始めました」と語る。「普段、モノトーンの服が多くて、持ち物も可愛いものも多くはなかったんです。だから、とりあえずキラキラしたものやピンクなものを買ったり、2つ結びに慣れることから始めました」。
そこには、「2.5次元ミュージカルなので、外見も重要」という野本の信念が見てとれる。「うさぎちゃんが着るものが似合う子にならないといけない。だから、まずは可愛いものを身につける。セーラームーンはアイテム一つ一つが可愛くて、『女の子』って印象が強い作品だから、そこにいかに近づけるかがポイントだと思ったんです」と明かした。
「今までも天真爛漫と言われてはいましたが、この作品は、これまで以上のパワーでやっています。普段のテンションの何割増しの、テンション高い私が舞台上にいると思います」とにっこりと笑う野本。「心に残る作品にしたい。新しくなったからどうではなく、『あのときのセラミューカンパニー素敵だった』と言ってもらえるようになりたいと思います」。ここから、新しいセラミューが始まる。(取材・文・写真:嶋田真己)
ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』‐Amour Eternal‐は10月15日よりAiiA 2.5 Theater Tokyoほかで上演。