【関連】『デジモンユニバース アプリモンスターズ』場面写真フォトギャラリー
『デジモンユニバース アプリモンスターズ』(以下、『アプモン』)は、長きにわたり幅広い年齢層に愛される「デジモン」シリーズの系譜を継ぐ新しい物語として誕生したTVアニメ。キーとなるのは、今や欠かすことの出来ない「スマホアプリ」。その“アプリ”には、人工知能AIが組み込まれた生命体「アプリモンスター」、通称「アプモン」が潜んでおり、“アプリの数だけモンスターがいる”」という設定だ。主人公の少年・新海ハルと、バディのアプモン・ガッチモンが、リアルとネットの2つの世界を救うため人工知能との戦いに挑む。
「デジモンシリーズを作るうえで大事なポイントは、子どもたちに少し先の未来を見せて、ワクワクドキドキしてもらうこと」。キッパリとそう言い切る加藤。「昔でいうと、ネットの世界やファイルサーバーなどを用いて描いていたのですが、その“現代版”ってなんだろうと、考えたときに、もっと深いネットの世界だったり、人工知能やアプリだったりするのかなと思ったんです」。
「デジモン」シリーズの最新作ということもあり、放送前から多くの期待が寄せられていた本作だが、その期待通り、放送開始となった今、多くの反響が寄せられている。「評判が良く、面白いという言葉を頂くので嬉しいですね」と笑みを浮かべる。制作する上で意識するのは「“今、面白いこと、今の視聴者に楽しんでもらうこと”を1番に考えて作る」ことだと言い、その結果が現在につながる。 本作を含め、加藤が手掛ける『妖怪ウォッチ』『アイカツ!』といえば、子どもだけでなく親である大人たちもハマり、子どもと一緒に楽しんでいるという印象が強い。
“子どもと楽しむ大人”を考えた末、導き出した1つは「キャラクターの心情がアニメ的になりすぎないようにすること」。ストーリーの中で、突飛なことは起こるものの「さっきまではこんな風に思っていた気持ちがいきなり変わらないでしょ?と。突然怒ったり、笑ったりしていないかなど、心情の流れが自然かどうかを意識します。その流れがどうでもよくなってしまうと、『子どもが見るアニメだね』という印象になってしまいます」。
2つめは「その作品で、1番面白いことは何だろうということを、エピソード毎に決めること」。子どもがターゲットとはいえ、子どもらしいネタを探そうとは思っていないと明かす。題材が難しくとも、そのネタが面白い場合は「子どもにもわかるように作ろうと考えます。それが大人も楽しめるアニメ…ということにつながっているのではないかと思っています」。
最後に、加藤が手掛ける作品では欠かせないキャラクターたちの“キメ台詞”について聞いてみると「絞り出すだけ(笑)」という答えが返ってきた。「キサマの未来は検索済みだ!」(『アプモン』ガッチモン)、「もんげー」(『妖怪ウォッチ』コマさん)、「オケオケオッケー」(『アイカツ!』冴草きい)…キメ台詞を生み出すのも楽ではない。(取材・文・写真:ほりかごさおり)
『デジモンユニバース アプリモンスターズ』は、テレビ東京系6局ネットにて毎週土曜7時より放送。BSジャパンにて毎週水曜17時より放送。また、12月17日まで公式ユーチューブチャンネルにて第1話~最新話まで無料配信中。