興奮を通り越して、もはや放心状態。『スター・ウォーズ』(以下、SW)シリーズ最新作『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』を鑑賞したTEAM NACS所属の俳優・戸次重幸は、開口一番「これは間違いなくシリーズ最高傑作。
全作観てきましたが、胸を張って言える」と大絶賛。自他ともに認める『SW』ファンの戸次をここまで打ちのめした本作の魅力とは?

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 現在、大ヒット公開中の本作は、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の直前の攻防を描くシリーズ最新作。『GODZILLA ゴジラ』のギャレス・エドワーズ監督のもと、帝国軍の宇宙要塞型兵器「デス・スター」の設計図奪取という任務を遂行した反乱軍兵士チーム<ローグ・ワン>の戦いを壮大なスケールで活写する。父への愛を力に戦う女兵士ジン・アーソ役のフェリシティ・ジョーンズほか、ディエゴ・ルナ、ドニー・イェンら国際色豊かな個性派俳優陣の共演も必見だ。

 「『SW』という名の別の映画を観たような不思議な気分。でも、紛れもなく『SW』なんですよね!いい意味で裏切られました。完璧すぎてけなすところが見当たりません」と少年のように目をキラキラさせる戸次。「『フォースの覚醒』(2015年公開)は『SW』シリーズを全て観てきたファンに向けて作られた作品だと思いますが、本作は初見の方でも十分に楽しめる。『SW』シリーズでありながら、1つの映画として完全に成立しています」と称賛の言葉を惜しまない。

 最大の見どころは、凄まじいほどのリアルの追求だと戸次は語る。「登場人物のそれぞれが抱えている悲哀だとか、葛藤だとか、泣けるくらいリアルな描写は、これまでの7作品と比べても群を抜いている。それは戦闘シーンにも表れていて、『どうせメインキャラクターにブラスター(レーザー弾)は当たらないんでしょ?』っていういつもの安心感は全くなく、命を奪う“1発の恐怖”を感じた」と力を込める。
「メカや武器、全てにおいてひと回り以上リアルを追求したこだわりは、間違いなく『SW』ファンが作った映画。エドワーズ監督、グッジョブ!」と、もはや、その思いは感動を超えて感謝の域に。 さらに、エドワーズ監督のバランス感覚にも脱帽したという戸次は、極力抑えられた『SW』シリーズへのオマージュにも不満はないという。「(キャラクターの)出し方が物凄く計算されていて、『ほら、このキャラクターは短い尺で見せたほうが、ありがた味があるでしょ?』みたいな。エドワーズ監督の意図にまんまと乗せられました(笑)。『うぁー、転がされている~!もっと転がして~!』みたいな。そして、散々転がしておいて、あのラストのたたみかけ。もう、観終わって、こんなにニヤッと笑った映画は初めてですよ」と顔をほころばせる。

 ところで、戸次といえば、今年9月、妻で女優の市川由衣との間に第1子が誕生し、父親になったばかり。それだけに、父の愛を力に死力を尽くす主人公ジンの姿は、心に響くものがあったのではないだろうか?「いやぁー、子供が生まれてから、親子ものに弱くなりました。子供側、親側、どっちの気持ちにもなっちゃって。本作も泣いちゃいましたね。
自分の娘に愛情を込めて“スターダスト”って言っている父親の表情を観るだけで、もうだめ」と照れ笑い。「たぶん、今、『エピソード5』を観たらボロ泣きしますね。『私がお前の父親だ』というダース・ベイダーのあのセリフ…思い出すだけで号泣しそう」と、自身の思いを重ねながら、『SW』シリーズの源流である親子愛をかみしめていた。(取材・文・写真:坂田正樹)

 映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は公開中。
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