1月8日より放送が開始された大河ドラマ『おんな城主 直虎』。第4回放送まで、主人公の幼少期時代が描かれるという、近年の大河では異例の展開であることが発表されたときは「大丈夫なのか?」という意見も出たが、ふたを開けてみれば、おとわ役の新井美羽、亀之丞役の藤本哉汰、鶴丸役の小林颯の瑞々しい演技は賞賛の声があがった。
なかでも、おとわへの気持ちを抑え、おとわと亀之丞の未来を案ずる切ない演技をみせている小林の眼差しが「キュンとくる」と評判になっている。

【関連】白塗りブリーフ姿の俊雄くんの姿も「小林颯」フォトギャラリー

 小林演じる鶴丸は、井伊家家臣、小野政直の嫡男。当主の娘おとわと、その許婚となる亀之丞の幼馴染でありながら、身分的な問題から少し引いて二人を見ている少年だ。利発で相手の気持ちが分かる故に感情を抑える性格、そして未来を嘆くような物悲しい表情は、放送後、SNSを中心に「切ない」「可愛い」「守ってあげたくなる」というコメントが相次いだ。

 そんな切ない演技が話題となっている小林だが、本作以外にも、話題作に多数出演している。映画『脳男』では生田斗真扮する入陶大威の幼少期を演じ、今クールから始まった『嘘の戦争』では、主演の草なぎ剛演じる一ノ瀬の少年時代を務めている。また、NHKの大河ファンタジー『精霊の守り人』では、新ヨゴ国の皇太子チャグムを演じ、軟弱だった少年が、だんだんと立派になっていく姿を好演した。

 そんな中でも、もっともインパクトが強かったのが、映画『呪怨』シリーズの俊雄だろう。全身白塗り、ブリーフ一丁という姿で物語に戦慄を与える姿は、『おんな城主 直虎』でみせる、切なく利発な鶴丸とは似ても似つかない。鶴丸=俊雄だと分かっていても、それを理解するまで時間を要するほど、見事なまでのふり幅だ。 また、小林のプロ意識の高さをうかがわせるエピソードがある。以前、伽椰子と俊雄のインタビューをしたことがあるという映画ライターは「30分近いインタビュー中、白塗りブリーフ一丁という姿のまま、微動だにせず、じっと視線を一点に集中させ俊雄になりきっていました。
ホテルの薄暗い客室に、最所美咲さん演じる伽椰子と颯くん扮する俊雄が無言でこちらを見つめるシチュエーションは不気味さでいっぱいでした」と語る。

 少年ながらに父への不信感や、井伊家の行く末を案ずる鶴丸。第2話では、今川家の内政干渉により、おとわと夫婦になる話も浮上し、戸惑う姿も印象的だったが、2月以降は、小野政次として俳優・高橋一生があとを継ぐ。すでに「楓くんの成長した姿が高橋さんというのはスムーズすぎる」と評判にもなっている。鶴丸はどんな青年になるのか――。今後の展開も目が離せない。

 NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』はNHK BSプレミアムにて毎週日曜18時、総合テレビにて20時放送。
編集部おすすめ