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「しんちゃん」の魅力を「お尻を出すところですかね」と即答した高橋。その理由を「しんちゃんがやっていることって一歩間違えたら嫌われる行為なんですよね。ふざけるし緊張感ないし、お下品だし。でもしんちゃんってそれを全部ファニーにみせてくれて憎めない。大人の『いい子になりなさい』って結局『都合のいい子』ってことが多い。そういう子ばっかりだと、最終的に空っぽな人間ばかりになってしまう気がして……。子どもって無駄なことから自分の好きなことを見つけ出したりすると思うんです。その意味で僕の中ではカリスマなんです」と熱く語る。
すでに8、9歳のころから「しんちゃん」のこうしたところに魅力を感じていたという高橋。しかし、実際の高橋は「小学生のころは真逆でした。内向的でおふざけなんてできなかったし、常に机に座っていて、みんなの輪には入りたがらないタイプ」だったそうだ。しかし本人曰く「中学デビュー」を飾ったという。
そこからは活動的に自己を表現するようになった高橋だが「本質はあまりみんなでワイワイするのが得意ではなく、コンプレックスを持っていたりするんです。でもそういう人間が生きていちゃダメなんてことじゃないし、そういう思いを表現したいという気持ちはあったんです」と現在の音楽活動のルーツとなっているのが、幼少期の感受性であったことを語る。 自身の人生に影響を与えてくれた『クレヨンしんちゃん』の主題歌を担当するというめぐり合わせについて「大ファンとしては、どの程度公私混同していいのかという思いがありました」と心情を吐露。そんな中「全国ツアー中にこのお話をいただき、歌を聴いてくれる人たちに会いに行く僕の思い、ライブが終わったあとのファンへの思いなど、個人的な思いがありつつ、シリリという宇宙人としんちゃんが日本を縦断するという旅の映画でもあるので、いろいろな人がゴール地点にたどり着くまでの日々の思いを綴って『ロードムービー』という楽曲にしました」とコンセプトを明かしてくれた。
無類の映画好きだという高橋は、劇場で映画を鑑賞することも多いが「僕はせっかちでエンドロール中に席を立っちゃうんですよ。でも自分が曲を担当した映画で、エンドロール中に席を立たれてしまうとめっちゃ寂しい。すごいわがままですよね」と苦笑い。
さらに、以前ドラマ『釣りバカ日誌 ~新入社員 浜崎伝助~』に友情出演していたことに触れ、俳優という表現方法への思いを聞くと「これまで全く興味なかったのですが、最近僕と同じタイミングでアミューズに入って今も仲良くさせてもらってる『flumpool』の山村隆太がドラマ出ていますからね」とおどける。「『釣りバカ日誌』はセリフもなくギターを持って立っていただけで、あれが演技かどうかは分かりませんし、やれる自信なんてこれっぽっちもないですが、最終的に歌に持って帰れる経験なら、僕はどんなことでもチャレンジしたいとは思っているんです」と率直な気持ちを語ってくれた。(取材・文・写真:磯部正和)
『映画クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ』は4月15日より全国公開。