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2人の対談は、現在開催中の「創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展 VOL.1 創刊~1980年代、伝説のはじまり」の一環として実現。原に「何でそんなに若々しいんですか?」と質問された荒木は「けっこういろんな事やった。ダイビングとかもやりましたよ」と語り、「でもね、海で溺れたの一回。ダイビングしてて。それからもう行かないことにした(笑)。最近は、ちょっと山が好きですね」と運動を欠かさない様子。もともとは旅行嫌いだったというが、若手時代に旅行好きの編集者にエジプト旅行に連れて行かれたことを振り返り、「行って、書いたのが、あの『ジョジョの奇妙な冒険』」と意外なエピソードを披露した。
若手時代に拠点の仙台から修正のため集英社の会議室に呼び出され、隣の会議室に『キン肉マン』の作者・ゆでたまごが缶詰めになっていたと回想した荒木は、「『すいません、ゆで先生。ドライヤー貸してください』とか言って、ドライヤーとか持ってきてんですよ。先生はもう慣れてて、泊ってんのね」とコメント。これを聞いて「昔の漫画家みたいですね」と笑った原は、「周りの情報が、僕には入ってこなかったですね。漫画・北朝鮮みたいな(笑)」と自嘲して会場を沸かせたが、「大ヒット作が出たので、正解だったのかな」としみじみ。
原曰く、当時の荒木の担当編集者は大柄だったそうで、「荒木さんは可愛い女の子みたいな感じだから、抱きかかえられて連れて行かれちゃってる。僕、その後ろ姿よく見てましたよ(笑)」と懐かしそうに話し、荒木は「編集者と密接な感じになるんですよ。打合せとかも、一晩中ずっとやったりとか。ジャンプってそういう感じ」と続ける。『北斗の拳』連載時の作業ペースに話が及ぶと、原は時計を仕舞っていたことを明かし「ラジオしか聞いてなくて、漫画を描き終わった後に、浦島太郎みたいな気分で。本当に、世の中から取り残されたみたいな感じになっちゃいましたね」と苦笑。
一方、現在月刊誌で『ジョジョリオン』を執筆中の荒木は、週刊連載時代と同じペースを保っているそうで、「日月でネームやって、木曜日まで画をやる。金土休んでと。今日も休みだから来た」と白い歯を見せた。