ロボットアニメの“原点”にして“頂点”、日本アニメ史上に燦然と輝く『マジンガーZ』が約半世紀の時を超え、完全新作の続編『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』として復活する。主人公・兜甲児役は『弱虫ペダル』『MAJOR』『NARUTO ‐ナルト‐』など多くの代表作を持つ森久保祥太郎
声優になって20数年が経ち、このタイミングで大きな作品に携われるということが嬉しい」と語る森久保に、続編として描く『マジンガーZ』の魅力や、Dr.ヘルを演じる石塚運昇とのアフレコエピソードなどを聞いた。

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 『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』は、永井豪が描く『マジンガーZ』の正統続編。兜甲児がマジンガーZを操縦し、悪の科学者・Dr.ヘルによる人類滅亡の危機を救ってから10年、世界は平和を取り戻していた。甲児は祖父や父と同じ科学者となり、新光子力研究所の研究者として日々様々な研究に勤しんでいた。ある日、富士山の地中深くから巨大遺跡インフニティが発見される。そのインフニティの中からは人間型コントロールユニット・リサも見つかる。時を同じくして宿敵Dr.ヘルも現れ…。
 
 キャストが一新され森久保が兜甲児を演じる本作。オーディションで甲児役が決まったという森久保は「必殺技の叫びだけは、石丸博也さんをオマージュしてほしい」と演出を受けたと明かす。そのオリジナルで甲児を演じた石丸は本作に統合軍司令として出演。森久保はアフレコ現場で、改めて石丸に挨拶したと言い、当時のエピソード等を質問したそうだが、「『昔のことなんて忘れちゃったよー。好きにやりなよ』と言ってくださって…。
気さくな方なんです」と目を細める。

 幼少期に、強くカッコイイ姿に憧れたキャラクターを演じる森久保だが、その憧れた甲児は“戦う男”ではなく科学者として登場。必殺技などを言い放つ姿は微塵も感じさせない。「序盤は、戦闘ではなく研究者の道に進んでいた甲児ですが、物語が進むと、だんだんべらんめえになってくるんです」と、徐々に正義感と闘志に燃えていて以前の姿を彷彿とさせ「キタキターという気持ちはありました(笑)」。また、「初めてパイルダーオンしたときは、直前まで石丸さんの音声を聞いていたこともあり、テンションが上がりました」と満面の笑みを浮かべた。 物語後半では、Dr.ヘルと激しい戦闘シーンも描かれている本作。Dr.ヘルを演じる石塚運昇とは「ドッカンドッカン怒鳴り合うシーンもありましたので、『頑張ろうな頑張ろうな』とお互い励まし合いながら演じていました」と振り返る。「運昇さんの迫力がすごいので(苦笑)。負けられないという思いはありました」。

 最後に、「様々な好みの方がいると思いますが、アニメーションが好きな方でしたら、絶対自分好みのシーンがあると思います。どなたに観てもらっても面白いと思ってもらえるシーンがあります」と力強くアピールする。「45年前の当時もマジンガーZはすごい迫力を持つ作品だったと思うのですが、本作はそれを踏まえた45年の進化がある。
全体を通した深いテーマと甲児とさやかの関係性、リサという人物についても描かれる。さらに、要所要所にボスたちのコミカルなシーンや、永井先生らしいお色気シーンもある。全部のせですね」。座長として重責を背負い、主人公・兜甲児を演じ切った森久保。だが、『マジンガーZ』について語るその姿は、子供の頃のままであろうキラキラと輝く少年の目だった。(取材・文・写真:ほりかごさおり)

 『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』は1月13日より公開。
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