【写真】市原隼人、『明日の君がもっと好き』インタビューフォトギャラリー
本作は、予想の“斜め上”をいく、新感覚のヒューマンラブストーリー。市原が演じるのは、恋に冷めた造園デザイナー・松尾亮だ。役柄の印象を問うと、市原は「亮は言葉にするのがすごく苦手な人間なんです。すごく繊細にいろいろなことを思っているがゆえに、言葉を一つ一つ選びきれないんですね」と語る。恋愛に冷めた姿勢については「求めているはずなんですよね。人のぬくもりとか、体とか。亮も、本来は求めていると思うんですけど、たまたまタイミングがないだけなのかな」と考えを明かす。
そんな亮が恋するきっかけになるのが、ダメ男とばかり関係を持つため、恋を諦めかけている30代秘書・里川茜との出会い。茜に扮する伊藤とは、11年ぶりの共演だ。「『リリイ・シュシュのすべて』で共演したころからずっと面倒見がよくて、人間臭くて、僕だけじゃなくて他の方々にも気を配って、腹を割って話してくださるので、今回もすごく居心地がいいんです」と言うが、“大人のラブストーリー”での共演ということで、「やりやすさもありつつ、恥ずかしさもあります」と照れ笑いがこぼれる。
人との繋がりが物語の主題となっていることに絡め、人と接する上で大切にしていることを聞くと、「亮もそうだと思うのですが、自分の経験で物事や人を見ていたいという気持ちは変わらないです。
キャリアを歩む中では、共演者だけでなく、裏方のスタッフたちにも敬意を払うことを欠かさない。「役者は俳優部の一部であって、色々な部署がいる中の、横一列の一部なんです。そういう考えの役者でありたいというのは、変わらず思っていることですね」。その謙虚な姿勢のおかげか今年で芸歴20年目を迎えるが、役者を一生の仕事にすると決意した背景には、市原の芝居によって様々な悩みや不安が緩和されたファンからの手紙があった。
最後に、市原隼人の“これから”について聞いた。「今日と明日と明後日と、全部違う自分がいると思うので、その自分を全部認められるように。精一杯、現場一つ一つで、芝居一つ一つに向き合って行ける役者になれたらいいなというのが、今の気持ちですね」。語り口はクールだが、芝居への思いは熱く、深い。市原が明かす役者観からは、彼が20年にわたって支持されてきた理由が窺えた。(取材・文・写真:岸豊)
土曜ナイトドラマ『明日の君がもっと好き』は、テレビ朝日系にて1月20日より毎週土曜23時5分放送。