女優、モデル、歌手として活動するすみれが、マーベル・コミックの人気作を実写化したテレビドラマシリーズ『マーベル インヒューマンズ』に、刺客として地球に送り込まれるインヒューマンズ(超人類)役で登場する。映画『アメイジング・ジャーニー 神の小屋より』に続くハリウッド進出作として注目される中、国際派女優への道を着実に歩み始めたすみれが、現在の心境を語った。


【写真】すみれインタビュー写真&『マーベル インヒューマンズ』場面写真

 全国無料のBSテレビ局Dlifeにて日本初放送される本作は、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公開(4月27日)を記念した、同チャンネルの特別企画「マーベル フェス」の第1弾。インヒューマンズが住む王国のブラックボルト王は、弟マクシマスのクーデターにより追われる身となり、地球のハワイへ逃亡。ところが、人間と共存するハワイでの生活は、彼らにとって思いがけないものとなる…。

 そもそもマーベル作品が大好きで、ほとんどの作品を観ているというすみれ。チャンスがあれば「マーベル・ファミリーの一員になりたい」と思っていたところに、本作のオーディション話が偶然、転がり込んできた。「友人がオーランという役に決まったという話を聞いて、そこで初めて『インヒューマンズ』の企画を知ったのですが、メインは決まったけれど、サブメインはまだチャンスがあると聞いて燃えました」とニッコリ。

 「いろいろ情報を集めたら、ジェーンという人間役のオーディションがあるということで、映像を送ったのですが、監督の中にアジア人というイメージがなかったので、1度は落選したんです。ところが、監督が私のお芝居を観てくださって、"何か違う役ですみれをぜひ使ってみたい"と言ってくださり、ローカス役に当てはめてくれました。少しあきらめかけていたので、本当にうれしかったですね」と述懐する。

 第3話から登場するすみれは、王の弟マクシマスの手下で、反響で対象の位置を計るエコーロケーションを駆使する女性戦士ローカスをクールに演じているが、一言で表現すると「不思議ちゃん」なのだとか。「どちらかというと、悪役のイメージですが、ダークな部分もあれば、共感する部分もあるキャラクター。怒りや悲しみなど複雑な思いを内包していて、人間っぽい感情も持ち併せているので、強いとも弱いとも言い切れない…。
だから、やっぱり、不思議ちゃんかな(笑)」

 さらに、マーベルならではの厳しい環境ゆえに、役作りもかなり苦労したというすみれ。「マーベルはネタバレにとても厳しいので、撮影の当日に台本をもらうんです。だから、キャラクターやほかとの関係性を把握するのが本当に大変でしたね。ただ、個人的に悪役が大好きなので、演じること自体はとても楽しかった。"本当にすみれなの?"って言われるくらい、声が低く、地に足が着いたキャラクターなので、その辺りも観ていただければ」とアピールした。 ところで、『Hawaii Five‐0』『アメイジング・ジャーニー 神の小屋より』、そして本作と、着実に国際派女優の道を歩み始めているすみれ。今後、自身の頭の中には、どんなヴィジョンが描かれているのだろうか。「もともとカーネギーメロン大学でミュージカルと演劇を専攻していたので、いつかブロードウェイの舞台に立ちたい、という夢もあります。将来はアメリカを中心に活動していきたいですね」と目を輝かせるすみれ。ただ、日本から完全に離れて、アメリカに拠点を置くことは、成長過程にあるすみれにとって、まだ怖さもあるという。

 「現状は、オーディションの話がきたら、現地に出向いたり、映像を送ったりしていますが、本当は、向こうにいたほうがいい話もたくさんありますし、本人に直接お会いする機会も増えるので有利ですよね。だから、今回、日本にいながらにしてマーベルのお仕事をいただけたのは、本当にありがたいこと。
今年は、さらに日本とアメリカを行き来して、積極的にトライしたいと思っています」。日本語よりも英語の方が感情移入しやすいというすみれ。視線は、海の向こうに注がれている。(取材・文・写真:坂田正樹)

 『マーベル インヒューマンズ』は、3月3日から無料BS局Dlifeで放送スタート。
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