【写真】菅野美穂、小泉孝太郎インタビュー写真&『ベイマックス ザ・シリーズ』場面写真
――『ベイマックス』の続編に再び出演することが決まったときのお気持ちは?
菅野:映画のラストは、続編がありそうな終わり方だったので、期待はしていましたが、テレビシリーズで放送されるというのは驚きでした。しかもまた私にお話をいただけるのはとてもありがたかったです。全部で20話以上あると聞いて「結構長いな…」と思ったのですが、よく考えたら、大変なのはビッグ・ヒーロ6の方ですよね(笑)。
小泉:続編を作ることができる世界観だったし、登場人物たちのキャラクターも個性的だったので、その後を見てみたいなという思いはずっと持っていました。なので、続編ができると聞いたときは、ファンとして純粋に嬉しかったですね。でもタダシはすでにこの世にいない人物なので、自分は出るわけがないと思っていたので、結構他人事でした(笑)。オファーをいただいて驚きました。
――久々のアフレコはいかがでしたか?
小泉:実際やるとなってからは、数年前の収録を思い出しながら、タダシという人物に寄り添っていきました。声優の仕事って、日常生活で使わないエネルギーが必要なので、いい意味で緊張感はありました。ただ、一度経験していたので、映画よりはテイク数が少なくて済んだと思います。
菅野:"感覚を取り戻す"ことが自分にはわからなかったので、とにかく監督のアドバイスを信じてやりました。
――吹替えをする上で気をつけたことはありますか?
菅野:身をゆだねるというか、なにも考えないようにしています。その方がうまくいくことが多いです。
小泉:僕も、意識して高い音とか低い音とか声質は変えようとしないで、瞬発力を大事にしています。吹替えをして、改めて台本のセリフがこんなにも少ないんだと実感しました。刑事ドラマなどは、セリフがいっぱいありますからね。逆にいうと、ディズニー・アニメーション作品は、簡単な言葉だけでも、しっかり物語の世界を表現できていてすごいと思います。――お二人にとって『ベイマックス』とは、どんな作品なのでしょうか?
菅野:お預かりした、大事に育てられたよそのお家の子かな(笑)。私はそこまで出演している時間は長くないのですが、作品を観たときに感動しましたし、たくさんの人に観てもらいたいと思ったんです。普段の作品では、あまりこういった感情になったことがなかったので、少し特別な感じもします。
小泉:ベイマックスって「いたらいいな」と思える存在ですよね。人間にとって、もっとも幸せな形のロボットなのかもしれません。僕も、ひとさまの子どもとか、可愛がっているペットのような気持ちになることがあります。
――みんなのヒーロー「ベイマックス」ですが、お二人にとってのヒーローは?
菅野:幼稚園のころ、後楽園球場で『太陽戦隊サンバルカン』のショーが行われていたのですが、そのとき、パンサー(スーツカラーはイエロー)が紳士的にやってきて、私の手にチューをしたんです。それまでパンサーはあまり好きではなかったのですが、一瞬で好きになっちゃいました。それからオンエアでパンサーがカレーを食べているのを見るたびに「カッコイイ」って胸をときめかせていました(笑)。
小泉:僕は子どものころ着ぐるみが怖かったんです。戦隊ヒーローは、テレビの画面のなかで観たいと思っていたので、どちらかというと漫画のキャラクターの方への憧れが強かったです。小さいころだと、やっぱり「ドラゴンボール」が好きで、特に初期の亀仙人や悟空、クリリンたちが大好きでした。
――最後に、テレビシリーズの見どころを教えてください。
菅野:テレビシリーズでは、映画で描かれた先をすごく丁寧に描いています。
小泉:タダシは現実世界にはいませんが、ベイマックス、ヒロ、タダシは、それぞれがそれぞれの心のなかで常に一緒だということが作品を通じて伝わってきます。いなくなってしまった人を思い続けるような世界観って素敵ですよね。これからも、そんなシリーズでいてほしいと思っています。
新番組『ベイマックス ザ・シリーズ』は4月21日(土)より毎週土曜・日曜18時から「ディズニーXD」にて放送スタート。映画とTVシリーズを繋ぐ、1時間の特別エピソード『ベイマックス/帰ってきたベイマックス』は4月11日(水)18時30分から再放送。
(取材・文:磯部正和/写真:中村好伸)