女優の杉咲花、俳優の國村隼らが『万引き家族』の是枝裕和監督が総合監修を務めるオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』に出演することが分かった。杉咲、國村のほかに太賀、池脇千鶴、川口覚らが出演する。


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 本作は、香港のオムニバス映画『十年』を元に日本、タイ、台湾それぞれで各国の現在・未来への多様な問題意識を出発点に、各国約5名の新鋭映像作家が独自の目線で10年後の社会、人間を描く国際共同プロジェクト「Ten Years International Project 」の日本版。是枝監督がオムニバス映画の総合監修を務めるのは、自身初となる。監督の最終ジャッジの元で、脚本、オリジナリティ、将来性を重視して5人新鋭監督が選ばれ、2017年10月~12月に各作品の撮影が行われた。

 津野愛監督『DATA』は、家族の個人データをデジタル遺産として受け継いだ家族の物語。杉咲が、産まれてすぐに亡くなった母の面影を求め、デジタル遺産によって明らかになる母の知られざる一面をたどる女子高生を演じる。

 AI知能で道徳を刷り込まれた特殊学区の子供たちを描く、木下雄介監督『いたずら同盟』には國村が主演。石川慶監督『美しい国』では太賀が、 衛隊徴兵制が義務化された日本で、徴兵制告知キャンペーンを請け負った広告代理店で働く若者を演じる。

 75歳以上の高齢者に安楽死を奨励するという未来版“うば捨て”を描く、早川千絵監督『PLAN75』には川口が、 大気汚染によって地下への移住を強いられた母娘の姿を描く、藤村明世監督『その空気は見えない』には池脇が主演する。

 『DATA』に主演する杉咲は、「記憶のなかにあるもの、自分だけが目にしたものは、その他のどんなものにも変えがたいかけがえのない宝物で、たったひとつの秘密で。それを誰かに教えてみたり、逆に知ったり、信じたりしながら生きてゆく私たちの命は、とても尊いものなのだな、と改めてこの『DATA』という作品に思わせていただきました」とコメントしている。

 映画『十年 Ten Years Japan』は、秋に全国公開。
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