木村拓哉と二宮和也が初共演を果たし、原田眞人が監督・脚本を務めた映画『検察側の罪人』のヒロインを演じた女優・吉高由里子。本作を「初心に戻れた作品。
【写真】吉高由里子、『検察側の罪人』インタビューカット
本作は、雫井脩介の同名小説を原作に、司法制度の考察を踏まえ“正義とは何か?”を問うサスペンス・エンターテインメント。ある強盗殺人の容疑者が過去の未解決殺人の第一容疑者だったことから、エリート検事・最上(木村)と若き検事・沖野(二宮)は捜査方針を巡って激しく対立していく。
吉高が演じる橘沙穂は、二宮扮する沖野をサポートする立会事務官で、彼と最上の正義の対立に翻弄される。新人検事を演じた主演ドラマ『正義のセ』(日本テレビ系)より撮影が先だったため、吉高が検事という職業に密に関わる役柄は今作が初めて。「全然知らない世界だったので、事前に『検事とは、事務官とは』という本を読んで、ようやく点と点がつながりました。その後に『正義のセ』だったので、すごく助かりました(笑)」と茶目っ気たっぷりの笑顔を見せる。
沙穂のキャラクターについて吉高は「野心家で、自分の正義感を貫く人。率直な発言をするタイプ」と説明。「私も思ったことは言ってしまうタイプなので、そこは似てるかも」と言いながらも、沙穂について「どこかしら寂しさがあったり、背景が見えないミステリアスな部分もあったりもします」とも指摘する。
木村と二宮が共演することで注目度も高く、完成披露挨拶には4000人の観客が集結。「これまでにはないスケールだったので、圧倒されました。
映画『GANTZ』以来、7年ぶりの共演となる二宮のことを「変わらないまま変わっている」と思ったと言い、「見た目も歳をとられてなく、根本的な部分は変わらないんですが、進化していて。好奇心が常に研磨されていて、アンテナがすごい鋭くなってる」と分析する。
沖野の取り調べのシーンでは、二宮の鬼気迫る演技を間近で体感。「沖野のすさまじい怒り方は、本当に怖かったですね。全然見たことない“二宮和也”という人間を見たような感じがして。役でもそんなにワッと言っているのを見たことがないし、基本的に穏やかな人だから、こんな一面もあったの? という。そのシーンで沙穂は沖野に脅えているのですが、芝居というよりは素のリアクションに近かったかもしれないです」と振り返る。
一方、木村とはバラエティー番組での共演はあるが、役者としては初めて。距離を詰めるため、吉高は最初に“拓ちゃん”と呼びかけたという。「“拓ちゃん”って言ったら、どういう反応をするかな? と思ったら、普通に返事をしてくれて。その後は、いろいろ名前を変えて“拓にぃ”に落ち着きました」とニッコリ。
劇中では、沙穂が木村扮する最上に詰め寄るシーンも。木村と芝居で対峙し、「目には見えない緊張の糸をずっと張っていて、そこに触れたら何が起こるかわからないという緊張感がある方。きっとこの作品だから、そういう雰囲気を出されていたんだと思いますが、その空気はなかなか作れるものではないので本当にすごいと思います」と尊敬の念をおくる。
7月で30代に突入した吉高にとって、本作は初心に戻れた作品だという。「大勢の人がつながってできている映画だったので、自分は1人の人間でしかなかったし、何の力もないんだなということを良い意味で感じました」と述懐する。
近年は主演作が多かったが、ヒロインという立ち位置、また木村、二宮との共演が新たな気付きをくれたとも。「主役が作る空気感を客観的にあらためて感じられました。こんな現場はもうないだろうし、すごくいいタイミングで、貴重な経験ができました」と頬を緩める。
「30代は“今が一番楽しい”という歳の重ね方をしていきたい」という吉高だが、実際に今も「楽しんでいます」と満面の笑み。天真らんまんで何事にも自然体に取り組む吉高が、30代でどんな役を演じていくのか楽しみだ。(取材・文・写真:高山美穂)
映画『検察側の罪人』は8月24日より全国公開。
こんな現場はもうない」と語る吉高に、木村、二宮との共演について、そして20代最後の映画への思いを聞いた。
【写真】吉高由里子、『検察側の罪人』インタビューカット
本作は、雫井脩介の同名小説を原作に、司法制度の考察を踏まえ“正義とは何か?”を問うサスペンス・エンターテインメント。ある強盗殺人の容疑者が過去の未解決殺人の第一容疑者だったことから、エリート検事・最上(木村)と若き検事・沖野(二宮)は捜査方針を巡って激しく対立していく。
吉高が演じる橘沙穂は、二宮扮する沖野をサポートする立会事務官で、彼と最上の正義の対立に翻弄される。新人検事を演じた主演ドラマ『正義のセ』(日本テレビ系)より撮影が先だったため、吉高が検事という職業に密に関わる役柄は今作が初めて。「全然知らない世界だったので、事前に『検事とは、事務官とは』という本を読んで、ようやく点と点がつながりました。その後に『正義のセ』だったので、すごく助かりました(笑)」と茶目っ気たっぷりの笑顔を見せる。
沙穂のキャラクターについて吉高は「野心家で、自分の正義感を貫く人。率直な発言をするタイプ」と説明。「私も思ったことは言ってしまうタイプなので、そこは似てるかも」と言いながらも、沙穂について「どこかしら寂しさがあったり、背景が見えないミステリアスな部分もあったりもします」とも指摘する。
木村と二宮が共演することで注目度も高く、完成披露挨拶には4000人の観客が集結。「これまでにはないスケールだったので、圧倒されました。
主演のお二方の人気、求心力を感じました」と二人の影響力の高さを改めて感じたという。
映画『GANTZ』以来、7年ぶりの共演となる二宮のことを「変わらないまま変わっている」と思ったと言い、「見た目も歳をとられてなく、根本的な部分は変わらないんですが、進化していて。好奇心が常に研磨されていて、アンテナがすごい鋭くなってる」と分析する。
沖野の取り調べのシーンでは、二宮の鬼気迫る演技を間近で体感。「沖野のすさまじい怒り方は、本当に怖かったですね。全然見たことない“二宮和也”という人間を見たような感じがして。役でもそんなにワッと言っているのを見たことがないし、基本的に穏やかな人だから、こんな一面もあったの? という。そのシーンで沙穂は沖野に脅えているのですが、芝居というよりは素のリアクションに近かったかもしれないです」と振り返る。
一方、木村とはバラエティー番組での共演はあるが、役者としては初めて。距離を詰めるため、吉高は最初に“拓ちゃん”と呼びかけたという。「“拓ちゃん”って言ったら、どういう反応をするかな? と思ったら、普通に返事をしてくれて。その後は、いろいろ名前を変えて“拓にぃ”に落ち着きました」とニッコリ。
劇中では、沙穂が木村扮する最上に詰め寄るシーンも。木村と芝居で対峙し、「目には見えない緊張の糸をずっと張っていて、そこに触れたら何が起こるかわからないという緊張感がある方。きっとこの作品だから、そういう雰囲気を出されていたんだと思いますが、その空気はなかなか作れるものではないので本当にすごいと思います」と尊敬の念をおくる。
7月で30代に突入した吉高にとって、本作は初心に戻れた作品だという。「大勢の人がつながってできている映画だったので、自分は1人の人間でしかなかったし、何の力もないんだなということを良い意味で感じました」と述懐する。
近年は主演作が多かったが、ヒロインという立ち位置、また木村、二宮との共演が新たな気付きをくれたとも。「主役が作る空気感を客観的にあらためて感じられました。こんな現場はもうないだろうし、すごくいいタイミングで、貴重な経験ができました」と頬を緩める。
「30代は“今が一番楽しい”という歳の重ね方をしていきたい」という吉高だが、実際に今も「楽しんでいます」と満面の笑み。天真らんまんで何事にも自然体に取り組む吉高が、30代でどんな役を演じていくのか楽しみだ。(取材・文・写真:高山美穂)
映画『検察側の罪人』は8月24日より全国公開。
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