【写真】上川隆也、『ルパン三世 PART5』インタビューフォト
現代のフランスを舞台に、ルパン一味が新たな敵に立ち向かう姿を描く本作。上川は「小学生の頃に1stシリーズが放映になって、その後も成長とともにシリーズを見続けていました。この作品は唯一無二のもので、年齢を重ねて繰り返し見ても、また違った味わいを受け取れる。『PART5』には、“これまでのシリーズで見たことある”という一コマもあって、それが何作目の何話と特定できるようにも作られています。そうしたスタッフさんの遊び心も見応えがある」と熱弁するほど、『ルパン三世』の大ファン。「ルパン一味と銭形。この5人の色合いの妙が一番の魅力だと思います」と話す。
それだけに抜てきには「お受けするかどうか、お返事の締め切りギリギリまで迷いました」と悩みに悩んだそう。「声優をやっていらっしゃる方には尊敬しかない」と常に声優のすごみも感じていた。「お断りすることも可能だったと思いますが、そうしたら自分はきっと後悔するんじゃないかとも思いました。
ルパンと対峙することとなるエンゾは、未だベールに包まれた謎多き人物だ。上川は「ルパンと相対することは間違いないですが、『カリオストロの城』の伯爵のような観客がキチンと憎めるような敵役とは、また一味違います。エンゾの主義主張には、彼なりの正義がある。目指す目標にブレがない男です」と分析。人類の未来のために、新たなシステムを構築しようとしている天才プログラマーとのことで「ある種、理想の社会を作ろうとしている男で、演じる上でも熱量が必要だと思っています」と意欲をみなぎらせる。
アフレコでは、レギュラー声優陣のやり取りを目にして「惚れ惚れする演技、巧みなマイク前の動き……。魅入られます」と大興奮で、「神々が戯れているような光景です(笑)。侵すべからざる空間が眼前にありました。凡人である僕もなんとか食らいついていきたいです」とニッコリ。『天元突破グレンラガン』以来、声優経験も重ねている上川。
「自分の過去の作品に100点を出したことはありません。それは自分を焚きつける要素にもなっています」という上川にとって、“たどり着けない世界を目指していくこと”は実写の芝居も同じ。役者としての原点は「学生時代に、小中学校をまわってお芝居をする劇団にいた経験」だと語る。「少々やんちゃな子が多い学校でお芝居をしたことがあって。終演後、控え室で後片付けをしていたら、そのやんちゃな子が数人、やって来たんです。一悶着起きるのかと思いきや、照れ臭そうに“面白かったよ、また来いよな”と。
『ルパン三世 PART5』は放送中。