【写真】小芝風花、シシレオーやエマージェイソンと記念ショット
【魅力1】コメディエンヌとしての才能
特撮ファンが思わず“あるある”と納得してしまうような小ネタから、働く女性の共感を呼ぶ描写まで笑いを織り交ぜて展開していった本作。小芝は2017年に出演した『マッサージ探偵ジョー』(テレビ東京系)で培ったコメディエンヌとしての素養をこのドラマで見事に開花させた。ほぼ全エピソードを通じてオタクの本音満載のモノローグを変化に富んだ表情で熱演。さらに時折挿入されるヒロイン叶の妄想シーンでは、特撮番組に登場する女幹部に扮した吉田さん(倉科カナ)に詰められてタジタジになったり、リア充女子になりきって「てへぺろ!」と言いながら豪快に舌を出しておどけてみせたりと、思い切りのいい演技でドラマをけん引した。
【魅力2】シリアスなシーンで光った抜群の演技力
ドラマは回を重ねるごとに、特撮を毛嫌いする母・志(松下由樹)と叶の関係が焦点に。特に第6話と最終回では、小芝のシリアスな演技が視聴者の心をつかんだ。第6話では、叶は志が対峙しお互いにビンタしあうという文字通りの“体当たりの演技”を披露。ここで小芝は、松下にまったく引けを取らない存在感と演技力を見せた。また最終回で白眉だったのは、高校時代の叶が特撮ドラマ「救急機エマージェイソン」を見て特撮への愛情を思い出すシーン。“好きな気持ち”を取り戻した叶が唇を微妙に震わせてから一気に落涙する姿は、ドラマに感動とリアリティーをもたらした。
【魅力3】倉科カナら共演者に光をあてた“受けの芝居”
倉科カナ演じる特撮仲間の吉田さんと、木南晴夏扮する同僚の北代さんとの関係はドラマを構成する重要なポイント。
連ドラ初主演で素晴らしい代表作と巡り合った小芝。多くのファンはきっと叶と再会できる日が来ることを心待ちにしているだろう。(文:スズキヒロシ)