真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦までを史実に基づいて描く米映画『MIDWAY』(原題)が、2020年秋に日本で公開されることが決まった。日本からは豊川悦司が海軍大将・山本五十六を演じるほか、浅野忠信や國村隼も共演している。


【写真】映画『MIDWAY』(原題)ハワイプレミアの様子

 本作は、『インデペンデンス・デイ』『パトリオット』などスペクタクル映画の巨匠ローランド・エメリッヒが、“今、自分たちが謳歌している自由のために戦ってくれた人たちのことを伝えたい”と、約20年の徹底したリサーチを元に製作。実在した勇敢な軍人たちの同胞意識と友情、そして米国の勝利を確実なものにするための決意と犠牲が描かれる。

 米海軍の兵士たちを演じるのは、エド・スクラインやルーク・クラインタンクら若手俳優、そしてウディ・ハレルソン、デニス・クエイド、パトリック・ウィルソン等のベテラン俳優たち。日本軍側は、真珠湾を壊滅させた山本五十六(豊川)率いる艦隊の山口多聞役を浅野、南雲忠一役を國村がそれぞれ演じている。全米では11月8日に公開され、週末興収1750万ドルで初登場1位の大ヒットを記録した。

 全米公開に先立ち、10月20日にハワイ・パールハーバーのヒッカム海軍基地内にてプレミアイベントが行われた。日本からはメインキャストとなる豊川が参加。完成した映画を観た豊川は「素晴らしい映画だったと思います。エンターテインメントとして、そして戦争というものに対する客観性、メッセージ性を含めてとてもバランスの取れた作品です。こういう題材ではあるけれども素直に楽しめたし、映画の中に入り込めたし、その映画に参加させてもらって本当にうれしい作品になっていたと思いました」と興奮気味に語った。

 豊川は日本の観客に向け、「1本の映画として楽しんで頂ければと一番は思っています。全部本当にあった話ですが、本当にディテールも脚本家や監督が一つ一つに嘘が無いように膨大なリサーチの上に成り立って、この<ミッドウェイ>という戦いを描いています。
それでもあれから70年以上が経ち、戦争を知らない世代の僕らが作品の観客になることによって、本当にあった戦争というものを自分の実体験のように感じ取って、色々な自分なりの解釈や思いを考えてもらえれば良いと思います」と語った。

 豊川ら日本人キャストを起用した経緯について、エメリッヒ監督は「スコセッシ監督の『沈黙』でもキャスティングを担当した日本にいる女性プロデューサーに優れた俳優を紹介してもらった。言葉の問題も大きかったが、すばらしい経験だった」と語る。さらに、日本人俳優の演技については、「映画を見たアメリカ人俳優もみんな感心していた。共演シーンがないから日本側の部分は知らないので、初めて試写をした時に何度も耳にしたのは、日本人俳優たちを絶賛する声だった」と明かした。

 映画『MIDWAY』(原題)は2020年秋公開。
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