女優の倍賞千恵子と山田洋次監督が19日、都内で行われた映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』のプレミア試写会に出席。渥美清さんへの思いを熱く語った。
イベントには、倍賞、山田監督のほか、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、池脇千鶴、桜田ひより、夏木マリが登壇した。

【写真】後藤久美子、変わらぬ美しさで『男はつらいよ お帰り 寅さん』イベントにに登場

 同作は国民的人気を誇った映画シリーズ『男はつらいよ』の50作目の最新作で、第1作の公開から今年で50周年。新撮された登場人物たちの“今”を描く映像と、4Kデジタル修復されてよみがえる寅さんのシリーズ映像が見事に紡ぎ合う新たなる『男はつらいよ』の物語となっている。

 公開直前の気持ちを聞かれた山田監督は「ようやくこの日が来たかと、胸がドキドキしている感じですね」としみじみ。倍賞は「お兄ちゃん(渥美さん)が撮影中に『長い1本の映画を撮ってる気がする』って言ってたんですけど、50年かかってこの映画が撮り終わったような気がしています」と振り返った。
 
 寅さんをどのように描くか?ということに関して山田監督は「僕自身が一番迷ったところです」と回顧。「どの部分を取り出して、どんなふうに寅さんを生きているように描くかは難しくもあり、楽しい作業でもありました」と胸の内を明かした。

 本作で23年ぶりに女優復帰した後藤は、1年を振り返って「あっという間に過ぎた1年でした。大変でもあり、楽しくもあり、撮影を終えてから1年以上経っているということが信じられない感じです」と笑みを浮かべた。

 山田監督は今作を「やっぱり寅さんが主役なんです。出演者のみなさんの、あるいはスタッフの渥美さんへの思い、もう1回会いたいという気持ちがそのままこの映画に反映されているんじゃないかと思って」と表現し、渥美さんへの思いを告白。

 「渥美さんが僕の作った映画を観て『今度の映画よかったよ』と言ってくれることをいつも願っていました」と語り「今度の作品こそ、渥美さんが『よく出来てたよ』って劇場のどこかで笑いながら言ってくださったらうれしいなと、そうであってほしいなと、いま願っております」と思いをはせ、監督の言葉に会場からは大きな拍手が送られた。


 映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』は、12月27日より全国公開。
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