【写真】カラーで蘇る第一次世界大戦の記録『彼らは生きていた』フォトギャラリー
本作は、第一次世界大戦の終戦から100年を迎えた節目となる2018年に、イギリスで行われた芸術プログラム「14‐18NOW」と帝国戦争博物館が共同制作し、帝国戦争博物館に保存されている記録映像を再構築したドキュメンタリー映画。イギリス本国のみならず、2019年度のアメリカ・ドキュメンタリー部門でナンバーワンのヒットを記録した。
ジャクソン監督は、2200時間以上あるモノクロでサイレント、さらに経年劣化が激しかった100年前の記録映像に対し、修復、着色、3D化という3段階の作業を400人以上のアーティストを動員して実施。修復作業では、バラバラのスピードで撮影されていた古い映像を現代の24フレームに修正するため、足りないフレームを作成するなど今までにない最新のデジタル技術を施した。また、大戦当時は録音技術がなかったため、BBCが所有していた600時間以上ある退役軍人たちのインタビュー音声や、兵士たちが話す口の動きを読唇術のプロが解析した言葉、効果音を追加。完成作はまるでジャクソン監督に魔法をかけられ、命を吹き込まれたかのような仕上がりとなっている。
日本版の予告編は、口笛で奏でられる第一次世界大戦の軍歌に乗せ、粒子の荒い不鮮明なモノクロ映像の中でイギリス兵たちが行進する場面からスタート。モノクロ映像の横には、「1914年から1918年まで第一次世界大戦を経験した。その時戦った兵士たちは白黒で沈黙の戦場にいたのではなかった。彼らは生きていた。鮮やかな世界に」という言葉が添えられる。
その後、映像の舞台が戦場へ移ると、リアルな着色が施された修復後の映像に。
ジャクソン監督は、幾度となく命を危険にさらしながら手回しで撮影していた当時のカメラマンに思いを馳せ、「記録を残すために撮影していたのだから、出来ればカラーで撮影したかっただろうし、誰もが映像は出来る限りよく見せたいと思うはず」とコメント。本作については「現代の技術が、100年前のカメラマンに救いの手を差し伸べた映画なんだ」と語っている。
映画『彼らは生きていた』は2020年1月25日より全国順次公開。