【写真】「向井理」フォトギャラリー
倉持裕の作・演出による本作は、主人公の男が自己保身のためについた一つの嘘が、次の嘘を呼び、逃げ場のないところまで追い詰められていく恐怖を、ブラックな笑いを交えて描く心理サスペンス。
小さな田舎町で、親から受け継いだ小さな工場を営む主人公の男(向井)。彼は町の実力者に気に入られ、自分の後継者にと推薦されていた。その地位につけば、名誉と特別な待遇が与えられる。妻(水川)と共に喜ぶ男。しかし、喜びもつかの間、彼は誤って、昇進に尽力してくれた恩人にけがを負わせてしまう。「一言謝れば済む話よ」と、ためらう夫に妻は言うが、つかみかけた未来が遠のくことに耐え切れずついた嘘が次の嘘を呼び、夫婦は取り返しのつかない事態を招いてしまう。重ねた罪に比べて実入りの少ない、あまりに非効率な夫婦の悲喜劇。
M&Oplaysプロデュース『リムジン』は、東京・下北沢の本多劇場にて5月23日~6月14日上演。6、7月に富山、大阪、名古屋、島根、広島、福岡、愛媛、仙台、新潟で順次上演。