【写真】年を重ねてさらに美しく…広末涼子インタビューフォト集
本作で広末が演じている志野は、古美術商の小池(中井貴一)と、陶芸家の野田(佐々木蔵之介)の前に現れた和装美人。父の形見をだましとられた悲しき女性が、物語が進むうちにどんどんと姿を変えていくさまは、キャリアを積んできた広末だからこそ出せる貫禄十分の佇まいだ。
■ タバコの吸い方を練習 人生で初めて喫煙ルームに宿泊
「お芝居というのはある意味で虚構の世界なのかもしれませんが、そこをうそなく演じることで役に深みを与えるものだと思います」という広末。劇中で出てくる和装美人らしい茶道の所作や、ちょっと悪女っぽいタバコの吸い方などを徹底的に研究した。「京都で滞在していたホテルでは、人生で初めて喫煙ルームに宿泊して、かなり練習しました。武正晴監督からは『グロリア』という映画に出演している女性のタバコの吸い方が格好いいと言われたので、参考にしました」。
また、武監督の現場にも大きな影響を受けた。「とにかく現場が早いんです」と目を丸くする。「現場に入るとリハーサルなどはなく、すぐにテストが始まります。カメラ位置も決まっていて、気がつくと本番。
■ 年齢への考え方を変えてくれた先輩の助言
一つの作品でさまざまな顔を見せる役。女優ならば誰もが演じてみたいような魅力的なキャラクターだが「10代、20代より30代のほうがはるかに役の幅が広がりました」と語る広末。以前は“年を取る”ということに対して、あまり前向きになれなかったという。「若いころは、年をとったらあまり人前に出たくないと思っていました。でも以前作品でご一緒した黒木瞳さんから『とにかく30代、40代はいっぱい作品に出た方がいい』とアドバイスをいただきました。『ここからが面白いし、まだまだきれいだから!』と背中を押してくださったんです」。
大先輩の言葉に気持ちが楽になったという広末は、視野が開けた。「今回の作品もそうですが、すごく緊張したり、初めて経験することにまだまだ出会えたり…ひとりの人間としても、女性としてもまだまだ成長することができると思えたし、その経験は女優として活きてくる。
■ やりがいある役柄への喜びと、続編への出演というプレッシャー
ヒットした前作のパート2に出演することに「とても面白い脚本でやりがいのある役。女優としてはすごくうれしかった」と明かすが、一方で「2作目というのは、とてもハードルが高いと思いました」と大きなプレッシャーもあったという。
そんななか、中井や佐々木をはじめとする俳優たちの本読みでのスピード感やキャラクター作りに圧倒され、すぐに作品のクオリティーの高さを感じた。広末自身も、作品のなかではさまざまな“女性”を見せており、プロフェッショナルなチームで大きな役割を果たしている。和装と派手なドレスで見せる“マドンナ”の表情を堪能したい。(取材・文:磯部正和 写真:高橋ゆり)
映画『嘘八百 京町ロワイヤル』は公開中。
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