2001年に第1弾が公開された映画『ハリー・ポッター』シリーズ。若き魔法使いのハリーが、仲間と共に巨悪に立ち向かう物語には、魅惑的な魔法使いの世界、友情やスリリングな冒険に加えて、子どもから大人に成長する過程の心の揺れ、恐怖心との対峙(たいじ)、寛容さの重要性などが描かれ、今なお、多くの人の心をつかんでいる。
そして、当時子役だったキャストたちも今や立派な大人に。彼らの今を見てみよう。

【写真】ダニエル・ラドクリフ&エマ・ワトソンら、超キュートな子ども時代から成長した姿まで

■ダニエル・ラドクリフ 数々の体当たり演技が話題に

 額にキズを持ち、丸メガネをかけた主人公、ハリー・ポッターを演じたダニエル・ラドクリフ。この役で一躍スターになったダニエルは、突然得た名声と将来への不安から飲酒問題を抱えたことを告白し話題に。

 シリーズ第5弾が公開された2007年には、舞台『エクウス』で全裸の演技を披露。シリーズ終了後は、映画『アンダーカバー』(16)で白人至上主義組織に潜入捜査する警官をスキンヘッドで演じ、『スイス・アーミー・マン』(16)では死体役を演じるなど、ハリーのイメージを払拭する大胆な役柄に挑んでいる。

 その一方で、本作との絆も大切にしている様子。新型コロナ禍で辛い思いをする子どもたちに向けた、原作本の朗読企画ではトップバッターを務め、また最近のJ・K・ローリングの差別スキャンダルでは、ファンの思いに寄り添ったコメントを出し、注目を集めている。

■エマ・ワトソン 女優として躍進・活動家の顔も

 マグル(非魔法使い)を両親に持ち、ホグワーツでは、文字通り寝食を忘れて勉強に励んだ優等生のハーマイオニー。演じたエマ・ワトソンも才媛として知られ、シリーズに出演中からアメリカの名門ブラウン大学に進学、無事卒業している。

 学業と並行してキャリアも順調に重ね、ディズニー実写版『美女と野獣』(17)や、トム・ハンクス共演の『ザ・サークル』(17)、アカデミー賞作品賞にノミネートされた『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(19)などに出演。近年目覚ましい活躍を見せている。


 またエマには、活動家としての顔も。国連のUN Women親善大使を務め、男女の平等を訴えるべく精力的に活動。環境問題にも力を入れており、レッドカーペットでサスティナブルなドレスを着用するGreen Carpet Challengeの運動等にも取り組んでいる。これが買われてつい先日、高級ブランドグループ、ケリングの取締役に就任したばかり。

■ルパート・グリント 第1子が誕生しパパに!

 魔法使いを両親に持ち、大家族で育った赤毛のロン・ウィーズリー。演じたルパート・グリントは、近年テレビドラマで大活躍。人気映画『スナッチ』をドラマシリーズ化した『スナッチ・ザ・シリーズ』(2017~)では、主演・製作総指揮を担当。『ABC殺人事件』(18)ではポワロを執拗に追う刑事を演じ、ロンのイメージをすっかり払拭している。

 プライベートでは、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』が公開された2011年から交際中のガールフレンド、ジョージア・グルームとの間に第1子となる女の子が誕生し、今年5月にパパになったばかり!■トム・フェルトン エマとの仲が再びホットに

 ハリーのライバルのイヤな奴、純血主義の名家出身、ドラコ・マルフォイを演じたトム・フェルトン。トムは、12歳当時のエマがぞっこんだったことでも有名。そんな2人は2018年から度々、お互いのSNSに登場して話題に。昨年はパジャマ姿のエマがトムのインスタにアップされ、再びホットなトピックに。


 またトムは、親日家でも知られ、東日本大震災では、直後に「頑張れ日本!!」とデザインされた直筆サイン入りチャリティーTシャツで寄付を募り、被災地へ物資の寄付も行った。その後も、USJの「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター(The Wizarding World of Harry Potter)」のオープンイベントで来日した際には、チャリティー・サイン会&撮影会を行っている。

■マシュー・ルイス ホットなイケメン俳優に!

 得意の薬草学以外は何をしても落ちこもぼれ。でも後に、両親の秘めた過去が明かされ、自身もヴォルデモートとの戦いに大きく貢献したネビル・ロングボトム。その人気は、ファンによって「Longbottomed(ロングボトムド)」というスラングが作られるほど(Urban Dictionaryよると、「何者でもないとされていた人物が、後に光り輝く騎士となり、畏怖の念を抱く」という意味)。演じたマシューも、シリーズ出演時のぽっちゃり体形で、さえないイメージを後に一新。2015年には、米Attitude誌でマッチョなボディーを披露して、一躍ホットな俳優に躍り出た。

 皆それぞれ大きく羽ばたきながらも、節目節目でシリーズに関わり、SNSでは再会ショットを披露してファンを大喜びさせるなど、まだまだその人気は衰え知らずだ。(文・寺井多恵)
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