木村佳乃が主演し、吉田羊と仲里依紗と共に美しい母たちの運命を描く金曜ドラマ『恋する母たち』(TBS系/毎週金曜22時)が10月23日より放送スタートする。「なぜ、母になっても女は恋に落ちるのか…」と問いかける本作で、吉田は、小説家志望で主夫の夫と高校生の息子を養うバリバリのキャリアウーマン・林優子を演じる。
【写真】恋の相手役・磯村勇斗とのシーンも話題を呼びそう
◆不倫推奨ではなく、女という生き物を描いたドラマ
本作は、柴門ふみの同名コミックスを原作に、名門校に息子を通わせる3人の母たちの恋愛と友情を描いたラブストーリー。脚本を恋愛ドラマの名手としても知られる大石静が担当する。
ドラマのタイトルからしてセンセーショナルな言葉が並ぶ本作だが、吉田は、初めて台本を読んだとき「このドラマは決して不倫推奨のドラマではなく、純粋に女という生き物を描いたもの」だと感じたという。
「3人の母たちは、恋をしたがゆえに世間的な試練と葛藤を経験していきますが、そんな苦しみがあっても恋というモンスターにはあらがえない。それは人間的な本能なのだと気付いた瞬間から、このドラマを何倍も楽しんでいただけるんじゃないかと思います」。
◆恋は人生を何倍も面白くしてくれるもの
タイトルにある「恋する」という言葉はまさに本作のキーワード。「不倫とは違う純粋な精神性を感じる」と吉田は話す。
「人生において恋は、芸術やエンターテインメントと同列にある、必要なエッセンスだと思います。実際に、人はいつだって何かに恋をしています。恋をする対象は人間には限りません。
吉田が演じる林優子は、仕事も家庭も手に入れた一見幸せそうな女性。しかし、名門校に通う息子は自宅に引きこもりがち。仕事優先で生きてきたため、家庭では肩身の狭い思いもしている。吉田は、彼女の魅力を「仕事の成果だけじゃなく、人間的な成熟度」にあると分析する。
「これまでも数多くのキャリア女性を演じてきましたが、その多くがキレ者で、芯が強くて、周りをグイグイ引っ張っていくイメージの女性でした。今回の優子さんは、それに加えて懐の深さが垣間見えると思っています」。@@separator◆“女性の理想の詰まったキャラクター”を演じるうえで大切にしたい「抜け感」
本ドラマのプロデューサーである磯山晶氏からは「女性の理想が詰まったキャラクター」と説明があったそうで、その上で、優子の「抜け感」も大切なポイントだと語る。
「家庭も仕事もキャリアも手にしていながら、加えて恋まで成就させようとしているので、本来ならば妬(ねた)まれたり、現実味がないと一蹴されそうなキャラですが、原作の彼女は嫌味がなくて愛らしい。その要因は、彼女の抜け感にあると私は思います。表向きは平気なふりをしていても、その裏でトイレに駆け込んで高鳴る動悸を押さえ込んでいたり、緊急時には動揺を見せたりという、人間らしい抜け感が彼女の愛おしさを作っていると思うんです」。
では、そんな優子を吉田はどう演じるのか。役作りについて尋ねると、「今回は、原作に近づくべく、8年ぶりに前髪を切りました。自分と離れた役であればあるほど、ヘアメイクをしながらその役に入っていくので、ビジュアルに助けられるところも大きいんです」とキュートな笑顔を見せた。一方で、仕事を生きがいにしているという点では共通点を見いだしており「そういう意味では等身大で演じられると思います」と明かす。
◆“恋のお相手”磯村勇斗とのシーンに期待
「林家の父親(矢作兼)と長男(奥平大兼)はどこかひょうひょうとしていて、すでに雰囲気が似ています(笑)。私は早くも役の通り、疎外感を感じていますが、お二人ともすてきな方なので、一緒にお芝居をするだけで自然と感情を揺さぶられています」と撮影現場の様子を明かしてくれた吉田。恋のお相手役の磯村勇斗については、「普段は人懐っこく、悪意なんて知らないような雰囲気の磯村さんが、いざ役に入ると、純粋さと企みを“ない混ぜにした”表情で優子さんをかき乱してくるので、最終話まで心臓が持つか心配です(笑)。彼女のメガネにも大切な意味がありますよ」とにっこり。
「いけない、いけないと思いながら恋に足を踏み入れていく母たちの姿を、他人事のようにドキドキ、ヒヤヒヤ、キュンキュンしながら見ていると、気づけばがっつり巻き込まれているというドラマになっていると思います」と自信をのぞかせる本作で、吉田がどのような表現を見せるのか、期待が高まる。(取材・文:嶋田真己)
金曜ドラマ『恋する母たち』は、TBS系にて10月23日より毎週金曜22時放送(初回15分拡大)。