俳優の木村拓哉が、生徒たちを震え上がらせる警察学校“最恐”の教官・風間公親にふんして新境地を見せたスペシャルドラマ『教場』が、続編『教場II』となって帰ってくる。それぞれに悩みや秘密を抱えた生徒たちを厳しく育てる風間だが、木村自身、葛藤する彼らを目にすることで「若い頃を思い出すこともある」という。
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■「もう一度」と言われたときはうれしかった
長岡弘樹の警察小説『教場』シリーズをドラマ化した本作。脚本を『踊る大捜査線』シリーズの君塚良一、演出を『若者のすべて』『眠れる森』『プライド』など数々の作品で木村とタッグを組んできた中江功が担い、警察学校という密室を舞台に教官・風間と生徒たちの人間模様を描く。
2020年の新春に放送された前作は、ピリリとした緊張感を漂わせる風間の迫力、その奥に垣間見える優しさ、生徒役を演じるキャスト陣の熱演も話題を呼び、視聴者から続編を希望する声も多く上がった。「再び、本作をやれるとは思っていなかった」という木村は、「中江監督をはじめ、前作を一緒に作ってきたスタッフとまた作業をできることが、すごくうれしかった」と吐露。
「反響も耳に届いていた」そうで、「前作を観ていただいた方から、“もう一度”という声をいただいたことが、なによりうれしかった。前作を作るときには、挑戦的な思いもあった。年明けというほのぼのとした空気が流れている時間に、ああいった作風、温度感のものをみなさんに届けていいものかという危惧もあって。作ったものを楽しんでいただけたと思うと、とてもうれしかったですね」と生徒たちの闇の部分や、風間の容赦ない指導など、骨太な内容が受け入れられたことへの喜びを口にする。■一緒に作品を作り上げた“生徒たち”への思い
「柔軟な頭にしておかないと、偏った表現にしかならない」と風間を演じる上での心構えを語る木村。風間と生徒たちのやり取りが刺激的に描かれるが、「今回は200期の生徒たちを描く物語。
200期の生徒を演じる若手キャストたちには、どのような印象を抱いたのだろうか? 第一印象は「非常に偏差値が高そう」というものだったというが、「一緒に作業をしてみたら、偏差値だけではなくて、しっかりと根性も持ち合わせている人たちだということがわかった」と印象に変化が生まれたと語る。
「コロナ禍ということもあって、精神的にもタフな状況を求められた現場だった。監督の求めるものや、志も高い。でも誰一人、腐ることなく、最後までそれに食らい付いていた。これは前作の198期生にも感じたことなんですが、一緒に共同作業をやらせていただいた後には、風間という立場の影響もあるのか、みんなのことをどこか“ひいき目”で見てしまうようになるというか。“自分が送り出すみんななんだ”という目で見てしまう。本当にみんな頑張っていましたね」と親心のような愛情をのぞかせていた。
撮影前には、生徒たちの所作訓練が行われた。その訓練には木村も立ち会い、「立ち会った瞬間、風間教場における教官と生徒の関係性が成立する。2作目にして、すでに名物化している」とにっこり。さらに「すごくうれしいことがあって」と続ける。
■新人時代を振り返り「若い時はもがいた方がいい」
200期の生徒役のひとりを演じる「Snow Man」の目黒蓮は、事務所の大先輩でもある木村との共演に感激の思いを明かしていた。ゴールデン帯のドラマには初出演となった目黒だが、木村は「初めてとは思えなかったですね。すごく真面目だし、ドラマや映画含め、これからもっといろいろな役をやってほしい」とエールを送る。「いつも必ず、“Snow Manの目黒です”とあいさつしてくれるんです。“もう覚えたよ”と思うんですけどね(笑)。一度、“アクセルをブンブンに吹かさない方が魅力的なのかな”と伝えたんです。彼は、“そういうことを言ってくれる人は初めてです”と言っていました」。
愛情深く若手俳優陣を見つめる木村のまなざしが、風間の姿と重なる。木村自身、もがく若者の姿に触れることで、新人時代を思い出すこともあると話す。「(若い時は)もがいた方がいいよって思います。自分の経験上、もがいたとしても、“この先、まだもがくよ”ということしか言えないし」と穏やかに笑いながら、「でもすごくいいんじゃないですかね。
スペシャルドラマ『教場II』は、フジテレビ系にて2021年1月3日、4日2夜連続で各日21時より放送。