5歳から子役として活動し、数多くのCMや、ドラマ『八日目の蝉』(NHK)、『渡る世間は鬼ばかり』(TBS)、『名前をなくした女神』(フジテレビ)に出演。2012年には歌手デビューを果たすなど、芸能活動10年以上のキャリアでマルチな活躍を見せる小林星蘭。

そんな彼女が『映画ヒーリングっどプリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!』で、小さいころから憧れだったというプリキュア作品で声優を務めた。スマッシュヒットを遂げたアニメ映画『若おかみは小学生!』(2018年公開)でも主人公・おっこの声を演じ、声優としても高い評価を受けた小林。現在16歳になる彼女は、どんな未来を夢見ているのだろうか。

【写真】人気子役・小林星蘭も16歳 大人っぽい表情を見せる撮り下ろしフォト

■プリキュアの作品に出たいという夢が実現

 2007年に放送されたアニメ『Yes!プリキュア5』でプリキュアに出会って以来、その世界観の虜(とりこ)になったという小林。最初は「プリキュアになりたい!」という思いで作品にハマっていったが、自らも芸能の仕事をしていることから、いつしか「プリキュアの作品に出たい!」という思いに変わっていった。

 そんな小林の思いが届き、最新作の映画では、『ヒーリングっど・プリキュア』と『Yes!プリキュア5GoGo!』のプリキュアと交流する“ゆめアールプリンセス”のカグヤ役の声を担当した。物語の重要なキャラクターを演じることに「プリキュアの皆さんと同じスクリーンに出ることに、ものすごいプレッシャーはありました」と率直な胸の内を明かすが、それでも「できる限りのことはやろうと、やる気満々で臨みました」と笑顔を見せる。

 前述したように『若おかみは小学生!』での小林の声の芝居は大きな評価を得た。本作でも、かわいらしく、みずみずしくカグヤを演じたが、本人は「特別に声優さんとしてのボイスレッスンなどは受けていたわけではなく、現場で大先輩たちのお芝居を見ながら、迷惑をかけないように必至に食らいついていった感じです」と謙遜する。
 
■ずっと芸能の仕事を続けていきたい!

 映画やドラマ、そして声優業に歌手活動。16歳にして、さまざまなジャンルの表現を行ってきた小林。本作では“みんなのゆめ”が一つの大きなテーマになっているが「現時点では、どのお仕事が一番かというのは決められないです。
私は優柔不断なので…」とはにかむ。

 それでも声の仕事については「自分とは違うキャラクターがいて、その子に命を吹き込むときに、普通のドラマだったら顔だけでも表現できるところが、アニメだと細かい動作や感情をすべて声で表現しなくてはいけない。すごく難しい作業なのですが、難しいからこその楽しさもあります」と意欲満々だ。

 まだまだ自分の進路は「絞れない」と言うが「声優さんとしても、女優さんとしても、そして歌手としても、芸能というお仕事は、これからもずっと続けていきたいです」と未来に思いを馳せる。続けて小林は「でも具体的な大きな夢としては、今回大好きなプリキュア作品に出演させていただきましたが、いつかは、プリキュアとして作品に戻ってきたいです」と照れながらも強い視線で語っていた。■女優と呼ばれるには「自分は足りていない」

 幼少期から芸能活動を開始した小林。「プリキュアに出たい!」という夢も叶い、着実にステップアップしている印象だが“女優さん”と呼ばれることには「実感が湧かないんです。自分のなかではまだ“子役”と呼ばれる方がしっくりくるんです」と正直な胸の内を明かす。

 小林と同年代で役者デビューする人も数多くいる。そういう人たちは当たり前だが“子役”と呼ばれることはない。「確かに、私と同じ年ぐらいからお仕事を始める人は子役ではないですし、女優さんと呼ばれても『そうだよな』と思うんです。でもいざ自分が“女優さん”と呼ばれると、なんか足りていないような感じがしてしまうんです」。


 しかし、そんな感覚でも「周りがうらやましいとは思わないし、人と比べてもしょうがないですからね」と達観している部分もある。「まだまだ甘えているところもあると思います」と冷静に自身を見つめると「もう少し自分自身が大人になったなと思ったら、自然と受け入れられるのかもしれませんね」と屈託ない笑顔を浮かべる。

 「子ども扱いされたくない」「早く大人になりたい」とアイデンティティを確立したくなる年頃だが、「まだまだ」と客観的に自身を見つめる目は、逆に言えば非常に大人の目線を持っているように感じられる。そんな小林が焦らずじっくりと、自身の個性と強みに向き合いながら進む道には、光り輝く未来が開けているように感じられる。(取材・文:磯部正和 写真:松林満美)

 『映画ヒーリングっど・プリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!』は3月20日より全国公開。

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