バラエティー番組『スクール革命!』(日本テレビ/毎週日曜11時45分)などで見せる関西弁キャラや、自身のYouTubeチャンネルやラジオ番組での飾り気のない素顔で人気を集める高橋ひかる(高は正式には「はしごだか」)。だが、以前は2014年グランプリ受賞の「全日本国民的美少女コンテスト」の印象で、本来の自分とは違う優等生なイメージを持たれることが多く、自身も「そうしなきゃ」と“素”を見せないでいたという。
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■嘘(うそ)や偽りはすぐバレる
人気芸人たちとも堂々と渡り合い、清楚(せいそ)な見た目とのギャップもあってブレイク中の高橋。決して無理をしているわけではなく、むしろ今の姿が“地”だ。「今の時代って、嘘をついたり偽っていたりすると、視聴者の方にすぐバレるんです。だから変に嘘はつかないようにしています」と日頃の心掛けを語る。だが、「以前は(出身である滋賀県の)関西弁が出そうになると抑え込んでいたんです」と明かす。
封印していた関西弁を解禁することで、「『自分らしく』いられるようになった」という高橋。そのことで、「『全国ネットなのにどうして関西弁で話すんだ』という声もある」というが、「そういうご意見があることは受け止めながらも、自分らしくいられるようになったことで、評価していただけるきっかけになったのかな、と思います。 ただ、関西弁を“あえて使う”ということもないんです」と穏やかにほほ笑む。
一方で、役者が素を見せることには懐疑的な意見もある。しかし「そこは心配していない」と言い切る。
■以前は前室で「ポツンとしていたんです」
「自分らしく」への橋渡しとなったバラエティー番組などでは、「とにかく周りをよく見るようにしている」という。「人が話していることをよく聞いて、VTRもちゃんと見て、そこから受ける感情を真っすぐに受け取って、素直に表に出すように」と努めているが、「最初はやっぱり緊張してしまって、妙な汗をかいていました」と苦笑いを見せる。
「例えば普段の生活で、話を聞いていて『そうだよね?』と自分に振られたとしても、ビックリしませんよね。でもバラエティー番組だからと、力が入ってしまっていたんです」。そのことに気づいたときから、「力を抜いて臨めるようになりました」と成長を語る。
そうした経験を通じて、もともと苦手だった周囲とのやりとりにも変化が訪れ、次第に共演者とコミュニケーションを取れるようになった。「以前はバラエティーの前室でもポツンとしていたんです。でも、いろんなお仕事をされている方が集まって、すごくぜいたくな場所にいるのに、そこでお話をしないのはもったいないと思うようになって」。
この心構えが、結果としてあらゆることへの事前準備につながり、ドラマの現場でも生きることに。「YouTube、モデル、バラエティー、そしてドラマと、それぞれ別々のお仕事と考えて取り組んでいますが、始まる前の空気づくりが大切だというのは、同じだと思います。
主演ドラマ『春の呪い』にも成果が出ている。最愛の妹を亡くし、その妹の婚約者だった男から交際を申し込まれるという難しい役どころを演じる高橋だが、「監督やスタッフの方たちと相談しながら夏美を作っていきました。そこは大きな変化だと思います」と自らの成長を受け止める。ちなみに現場では、「座長!」と盛り上げてもらっているとか。
「工藤(阿須加)さんや周りのスタッフさんが、冗談で、『座長』『座長』と(笑)。工藤さんのことはお兄さんのように、本当に尊敬していますし、信頼しています。(妹役の)桜田(ひより)さんにもすごく支えていただいて。今回、特に難しいシーンの多い作品ですが、周りにパワフルな方が多くて、とても心強いです」とにっこり。
脚本への向き合い方もこれまで以上に濃い作品になった。「ひたすら脚本と向き合いました。
今年、連ドラ2本目となる高橋だが、自身のブレイクの裏で、女優としては2年弱の空きがあった。意識の変化を経た今、女優・高橋ひかるとしても一皮むけているはずだ。(取材・文:望月ふみ 写真:松林満美)
ドラマ『春の呪い』はテレビ東京系にて毎週土曜23時25分放送。