乃木坂46の4期生・早川聖来は、どんなときも素直に“悔しさ”を表す。舞台『スマホを落としただけなのに』が、昨年コロナ禍で中止になったときもその気持ちを吐露。
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■もっと自信を持ってやっていいんだよ
舞台『スマホを落としただけなのに』は、昨年3月から4月に上演予定だったが、新型コロナの影響で、半分以上の公演予定を残した状況で公演中止に。しかし今回、ファンや関係者の熱意により、6月9日からの再演が決定した。早川は、恋人がスマホを落としたことをきっかけに、ある事件に巻き込まれるヒロイン・麻美を演じる。
――昨年、公演の途中で「残念ながら今日が千秋楽となります」と伝えられ、「すごく悔しさを感じていたのを今でも思い出します」とブログで振り返っていました。突然訪れた千秋楽にはどんな気持ちを抱いていましたか?
早川:千秋楽の日は「明日は絶対につらい気持ちになるだろうな」と考えながら過ごしていました。コロナ禍で誰もが大変な状況の中、たくさんのお客さんが集まってくれたのも覚えています。共演者やスタッフの皆さんも含め、目の前にいる方々へ感謝して、最後のステージを終えるのが自分の役目だと思っていました。だから、今回の再演が決まって本当にうれしかったです。
――キャスト、スタッフに対して「大好きなカンパニーのみなさん」とも述べていました。
早川:優しくて演技経験豊富な方々ばかりなので、たくさんのことを学ばせていただきました。お芝居だけではなく、人間としても成長させてくれて。一歩グループの外へ出ることで、物事の新しい見方や考え方を吸収できました。
――具体的には自身にどんな変化がありましたか?
早川:実は昨年、舞台に入る前は、自分を否定してしまいがちな時期だったんです。ありがたいことにいろんなお仕事を経験させていただいていたんですけど、気持ちに余裕がなくなってしまって。そんなときに、毎日稽古に通うようになって、共演の皆さんから「もっと自信を持ってやっていいんだよ」と言っていただけるようになってからは、気持ちが楽になっていきました。
――舞台経験を糧に、ドラマ『ボーダレス』など演技の世界でも活躍の幅を広げています。早川さんといえば、演技力が発揮されたコント番組『ノギザカスキッツ』(日本テレビ)ではグイグイ前へ出る“欲しがりキャラ”が注目されていました。
早川:(笑)。『ノギザカスキッツ』は最初は4期生だけで出演していた番組で、私たちの頑張りに懸かっているという思いがありました。とにかくいい番組にしたくて、「求められたことに対して、3つ4つプラスして返そう」と取り組んでいたら、欲しがりキャラみたいになっちゃって(笑)。だから、自分が目立ちたいわけではなかったんです。
■悔しさは人を成長させてくれる
――舞台への思いに限らず、グループでの活動の「悔しさ」もブログにつづっていますね。気持ちを素直に表すようになったのは、スタッフさんに「“悔しい”という気持ちを否定しなくていいんだよ」と言われたのがきっかけだと。
早川:そうです。自粛期間中に自分の気持ちを深く考えたのもきっかけでした。ライブや握手会が行えなくなってから、ファンの方へ思いを伝えづらくなったと感じて。きちんと自分から発信しないと届かないから、勇気を出して伝えようと考えました。
――悔しさを見せるようになってから、変化もあったのかなと思います。
早川:ファンの方から「悔しいと思ってくれてうれしい」と言ってもらえるようになりました。悔しさと向き合う姿勢に胸を打たれたから「自分も隠さず、毎日を頑張りたくなった」という声もあって。悔しさは人を成長させてくれるし、誰かを勇気づけられると思えるようにもなりました。
――悔しさをバネに頑張ろうという気持ちは?
早川:あります。
――できなかったことは、どうやって振り返っていますか?
早川:ブログを定期的に読み返します。1ヵ月に一度くらいは、初めて投稿した記事から、その時点での最新記事まですべてを読み返しますね。そうすることで、悔しかった瞬間やうれしかった瞬間を思い出せるんです。ライブ前も以前の感想を読み返して「次はもっといいものに」と考えたり。過去を振り返れば、今の自分が作れると信じています。■見合った実力が私にあるのかな
――グループの顔となるシングル表題曲で、選抜メンバーになれなかった悔しさをブログにつづったこともありました。
早川:その悔しさは、選抜メンバーに対してではなく、まだまだ足りない自分に対してなんです。とにかく“できない自分”に対する悔しさがずっとあって。だからこそ「選抜メンバーに入りたい」という気持ちも、素直に伝えるようになりました。
――思いは実を結び、6月9日発売の27thシングル「ごめんねFingers crossed」では、表題曲の選抜メンバーに初選出されました。
早川:選抜メンバーになれたのは、うれしかったです。ただ、安心したと同時に「見合った実力が私にあるのかな」とも考えました。ポジションについて今は、3列目よりも前に行けるとは思えないのが正直な気持ちです。キレイでかわいくて、トークも何でもできる先輩たちを見ていると…。
でも、そう考えてしまう自分も悔しい。だから自信を持って「もっと前に立ちたい」と言えるよう、実力を付けていきたいです。うまく言えないんですけど…。
――ありがとうございます。早川さんの抱える悔しさやそれをバネに進もうとする強さ、今の自分をきちんと見つめている姿勢がとても伝わってきました。最後に、余談ながらもう一つ。早川さんにとって、人生で“一番悔しかった”瞬間は?
早川:ん~、難しい…。私、幼い頃にバレエを習っていたんです。
■“舞台仲間”筒井あやめ&清宮レイへ
早川と同じく、乃木坂46の4期生である筒井あやめも6月4日から舞台『目頭を押さえた』に、清宮レイも6月17日から舞台『3年B組皆川先生~2.5時幻目~』に出演する。同時期に、グループを離れて演技の世界へ挑む仲間に向けてメッセージをもらった。
★早川聖来→筒井あやめ
私の方が先に舞台を経験していたから、あやめんはいつも相談しに来てくれます。頼ってもらえるのはすごくうれしい。頑張っている姿には元気をもらっています。逆に、あやめんは前から選抜メンバーに選ばれていたりして、私にとって“先輩”の部分もいっぱいあるから、お互いに頼りながら、一緒に頑張れたらなと思います。
★早川聖来→清宮レイ
レイちゃんからずっと「お芝居がしたい」と聞いていたので、舞台が決まったと知ってすごくうれしかったです。もしかしたら「自分と違う人を演じなきゃ」と焦りがあるかもしれないけど、そのままですてきだから大丈夫。コミカルな作品では、元気な性格や天真らんまんさも生かせるはずだから。自分らしさも残しつつ、レイちゃんにしかできない役を楽しんでもらいたいです!
(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:ヨシダヤスシ)
舞台『スマホを落としただけなのに』は6月9日~14日に東京・日本青年館ホールで上演。

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