細田守監督の最新作『竜とそばかすの姫』が本日7月16日から公開となった。それを記念して『金曜ロードショー』(日本テレビ系/毎週金曜21時)では、2009年公開の映画『サマーウォーズ』を放送。
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誰もがアバターを操り行き来するネット上の仮想世界“OZ”。その保守のアルバイトをしていた高校生・健二はある日、憧れの先輩・夏希から、彼女の実家まで一緒に旅行するバイトに誘われる。蓋を開けてみれば、それは曾祖母の栄ばあちゃんら個性豊かな大家族の前で、夏希のフィアンセを演じることだった。しかし実家に着いた日の夜、健二が自身の携帯に届いた謎の数字の羅列を解読したところ、人工知能プログラム「ラブマシーン」がOZ上に出現し、世界を大混乱に陥れる事件が発生。「私たち一家でカタをつけるよ!」という栄の号令のもと、健二と夏希、そして親戚の面々は、一致団結して世界の危機に立ち向かう。
■ 『千と千尋』『ハウル』10代にして盤石のキャリアだった神木隆之介
健二を演じたのは、当時実際に高校生だった神木隆之介。公開当時16歳という年齢ながら、俳優としてのキャリアはすでに10年近くで、劇場アニメでは『千と千尋の神隠し』(2001)、『ハウルの動く城』(2004)など5作を経験済み。さらに『サマーウォーズ』の7年後には、大ヒットした新海誠監督作『君の名は。』(2016)で再び高校生の主人公を担当。
そんな神木が演じたのは、引っ込み思案で内気な性格、数学好きの高校生・健二。夏希に半ば強引に駆り出された健二はナヨナヨして頼りないが、ラブマシーンが出現して以降、徐々にたくましく成長していく道程を、神木が繊細な声色で表現していく。最終盤で健二が汗と鼻血を出しながら「よろしくお願いしまぁぁぁす!」と絶叫する姿は、本作の代表的なシーンの一つ。健二の穏やかな性格を物語る、アニメ史でも屈指の丁寧な“決めゼリフ”とともにラブマシーンを倒す。今夜の放送中も、SNS上に視聴者の「よろしくお願いします!」の大合唱が響き渡るだろう。■ 女優デビュー2年目でヒロインに大抜てき 桜庭ななみ
そんな健二が憧れる先輩にして、本作のもう1人の主人公・夏希に息を吹き込んだのが、公開当時17歳で、神木と同じく当時高校生だった桜庭ななみだ。神木と同年代だがそのキャリアは対照的で、当時は女優デビュー2年目。本作が声優初挑戦で、ヒロインに大抜てきされている。
桜庭が演じた夏希は、本作でも一際喜怒哀楽が豊かなキャラクター。好きだった侘助おじさんと再会しての歓喜や、栄おばあちゃんの突然の死を受けての号泣、そして最終決戦での絶叫など、本作の要所を締める重要なシーンの演技を、桜庭がその抜てきに応えるように体現していく。
■人気キャラの佳主馬 強さともろさを見事に表現した谷村美月
健二と夏希のほかに、本作で重要な役割を果たすのが、公開当時19歳だった谷村美月が演じた夏希の親戚の1人、池沢佳主馬(かずま)だ。
佳主馬は前髪で片目が隠れ、暗そうな13歳の中学生。しかし、一転OZの世界では、長身のウサギ型アバター「キングカズマ」を操り、格闘ゲームの世界的チャンピオンでスポンサーがつくほどのVIP。その中性的なビジュアルと、クールな性格、一方でゲームになると時折見せる熱い一面のギャップで、ファンの間で根強い人気を誇っている。佳主馬の負けん気の強さと、まだ10代前半という精神的なもろさ、あどけなさを、谷村が見事に表現している。
映画『サマーウォーズ』は日本テレビ系『金曜ロードショー』にて7月16日21時放送。