フランス・イタリア合作アニメーション映画『シチリアを征服したクマ王国の物語』より、日本語吹き替え版の声優として、柄本佑、伊藤沙莉、リリー・フランキーが出演することが発表された。併せて、躍動するクマ達が魅力的な予告も解禁された。



【動画】『シチリアを征服したクマ王国の物語』予告編

 本作は、クマ王国の王とクマ達が人間の住む地を目指す、面白くも悲しい物語。原作はイタリアの作家ディーノ・ブッツァーティが1945年に発表した児童文学で、日本では天沢退二郎・増山暁子訳の『シチリアを征服したクマ王国の物語』(福音館書店)として知られる。今年11月に開催された第8回新千歳空港国際アニメーション映画祭で、長編部門のグランプリを獲得した。

 柄本は、各地を旅する語り部ジェデオンと魔術師デ・アンブロジスの2役。伊藤はジェデオンの弟子のアルメリーナと、劇中で王様の息子トニオと行動を共にする勇敢で聡明な女性アルメリーナ(同名)、人間にさらわれる幼少期のトニオの3役。リリー・フランキーはジェデオンとアルメリーナが洞窟で出会う老クマを演じる。また、野心家のクマのサルペトルを加藤虎ノ介、クマの王様レオンスを堀内賢雄、その息子トニオの青年期を寺島惇太が担当している。

 本作について、柄本は「絵が可愛く、迫力もあって美しい映画でした。色彩もすごく楽しい。どのキャラクターもチャーミングです」、伊藤は「意外と可愛い世界観の中に、人間の愚かさのような、芯をつくものが伝わってくる映画です」、リリーは「普遍的なものを描きながら、人間社会に入った動物たちのしわ寄せと言いますか、人間が起こしてる色々な環境に対する問題もバランスよく描かれている」とそれぞれコメント。

 予告編では、息子のトニオが行方不明となり、クマの王レオンスは仲間の助言を受けて人間の住む街を目指す。そして衝突する人間とクマたち。
クマたちは人間を制圧するが、次第に彼らの歯車は狂い始めていく。最後は「この世は謎ばかり。目に見えるものが正しいとは限らない」という意味深なセリフや「クマはハダカのほうがいい」というフレーズと共に幕を閉じる。

 原作者ディーノ・ブッツァーティの「小さなキャラクターで大きな風景を描く」手法にインスパイアされたというロレンツォ・マトッティ監督が、クマや人間の大群を俯瞰的に描きつつも、ダイナミックな動きでアニメーションならではの楽しさを与えてくれると同時に、イラストレーターでもある同監督ならではの色彩の美しさを堪能できる、躍動感あふれる予告編となっている。

 また今回、日本公開に向けてマトッティ監督からメッセージが到着。「“アニメーションの国”で自分の作品が上映されるという感動に加えて、今回の配給をとても嬉しく思っています。日本の皆様には、私たちを結びつけるこの受け継がれた感性で、この映画のあらゆるニュアンスを把握していただけると確信しています」と語っている。

 アニメ映画『シチリアを征服したクマ王国の物語』は、2022年1月14日より全国順次公開。<日本語吹き替えキャスト・監督コメント全文>

■柄本佑(ジェデオン&デ・アンブロジス役)
絵が可愛く、迫力もあって美しい映画でした。色彩もすごく楽しい。どのキャラクターもチャーミングです。語り部であるジェデオンと魔術師、ビジュアルも全然違う二人ですが、それぞれのビジュアルにあった、僕の声じゃないくらいの感じでやれたら楽しいかなと思っています。


老若男女楽しんでいただける作品ですので、アート好きな方も、絵とか色彩を楽しんで! お子さんは絶対に色とキャラクターの可愛さでハマっていただけると思います。

■伊藤沙莉(アルメリーナ&幼少期のトニオ役)
語り部のアシスタントをやっているアルメリーナはすごく素直な屈託のない女の子。一方物語の中でのアルメリーナはちょっと違う女性なので、そのちょっとした差が出せたらいいなと思いながら演じました。映画を見させていただいたときに、私にお声がけいただいた理由がすごくわかる声だったので(笑)そこをちゃんと全うできたらいいなって思います。

意外と可愛い世界観の中に、人間の愚かさのような、芯をつくものが伝わってくる映画です。大人にもじんわり伝わるし、子供にも感じられるものがあるんじゃないかなと思いますので、目でも心でも楽しんでください。

■リリー・フランキー(老クマ役)
普遍的なものを描きながら、人間社会に入った動物たちのしわ寄せと言いますか、人間が起こしてる色々な環境に対する問題もバランスよく描かれているので、素晴らしいお話だなと思いました。

何度やってもアフレコは難しいというか嫌な汗が出ますよね。やる度に声優さんってすごいなっていつも思います。僕は実写よりも先に、一番最初にやったのが、海外ものの吹き替えのアフレコだったので、そう考えると僕は声優出身だったんだなということも思い出しながら、成長していない自分にも毎回気づきますよね。

■ロレンツォ・マトッティ監督
ジェデオンとアルメリーナは、伝統的な物語や古代の伝説を絵と音楽で語りながらシチリアを旅します。読み物ではなく、語り部に物語を語り継がせる口承文学は、日本だけでなくイタリア(ヨーロッパ)でも古くから行われています。


そのため、“アニメーションの国”で自分の作品が上映されるという感動に加えて、今回の配給をとても嬉しく思っています。日本の皆様には、私たちを結びつけるこの受け継がれた感性で、この映画のあらゆるニュアンスを把握していただけると確信しています。

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