北朝鮮がついに強制結婚に乗り出した。
生涯未婚率は、50歳の時の未婚率のことを指す。
北朝鮮の朝鮮労働党南浦(ナムポ)市委員会(市党)は、未婚女性に無理やり男性をあてがって結婚に追い込んでいる。平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。
市党は最近、「結婚適齢期」になっても結婚しない風潮が広がっているとして、これを「非社会主義現象」だと断罪した。党が好ましいとする生活を送らない、風紀を乱す行為だということだ。そして、28歳以上の女性を強制的に結婚させる事業を推進している。
「社会主義(北)朝鮮において、結婚と出産は個人の選択ではなく愛国の問題であり、結婚の拒否は祖国のために存在する女性としての務めを果たしていないも同然だ。結婚していない者を、問題視する」(市党)
そして、南浦市人民委員会(市役所)と青年同盟(社会主義青年同盟)にこの「問題」の解決に乗り出すように指示した。
市内の臥牛島(ワウド)区域では先月19日から、28歳以上の未婚女性を強制的に結婚させるとして、人民班長(町内会長)、青年同盟の幹部がそのような女性をリストアップして、結婚を強いる。
応じなければ「社会的義務忌避者」として、様々な不利益を与える。
未婚女性ばかりではない。市党は結婚したのに子どもを産もうとしない若い夫婦も問題視し、身体的な理由がある場合を除いてリストアップし、出産を強要している。避妊や妊娠中絶は違法化され、コンドームの使用すら許されない。
前代未聞の強制結婚に当の若者たちは激しく反発している。
「結婚は一生を左右する重大事なのに、人民班や組織に結婚相手を決められるなんて、話にもならない」
「好きでもない男と結婚して子どもなど産めるはずがない」(若者)
ただ、このような強制結婚は他の地域では確認されていない。中央の指示に基づくものではなく、南浦市党が点数稼ぎのために暴走しているだけのようだ。何組かがスケープゴートにされて無理やり結婚させられ、国営メディアで騒ぎ立ててもらい、あとは有耶無耶になるといういつもの流れだろう。